【d!】〔悲報〕この乙女ゲーム、ヒロイン居ないんだが?

38話 ページ40

「え"、二人とも何してんの……」




きんとき〜!助かった!



シャ「きんとき助けて…」


きん「お、おう。」


きんときはまだよく分かってないような顔をしながらも、ちゃんと助けてくれる。やっぱ優しい



きん・シャ「「よいしょ!!」」


きり「え"……三人してどうしたの…」


シャ「ちょっと訳あって落ちてたぶるーく拾ってた。詳しくは後で話すから取り敢えず服着替えさせてあげておいて欲しい。」


きん「え、シャークんはどうするの?」

シャ「俺はちょっと気になることがあって。





…もし俺が朝まで帰って来なかったら、そんときは…Aを探してくれ。」


きん「え、なんでAさんが?」


きり「ちょっと待って。どっか行くの?何するの?」


……言えないよな

スマイルはともかくこいつらまで巻き込むわけには行かないよな




シャ「……ごめん。」

ごめん。皆には笑顔でいて欲しいから



きり「シャークん、どうしたの…せめてどこ行くか教えてよ…ねえ、お願い。」



その"皆"の中に、俺が入ってなかったとしても笑顔でいて欲しいから


だから、ごめん。








きん「…きりやん、行かせてあげよ。シャークんは何か考えがあるんじゃない?…ね?シャークん」




シャ「……うん。」




また、きんときに助けられたな。



ありがとう。



-きんときside-



きり「…はぁ…ねぇきんとき、何で行かせたの?…どこに行くかもわかんないのに。」



きりやんは皆のことを思いすぎるあまり、束縛してしまう悪い癖があるんだよな。


きん「ごめん。でもシャークんが言いたくないことを無理やり言わせるのは、ちょっと違うなって思って。」


と言って、そっとやんの手を俺の手で包み込む。

そしてしっかり目を合わせる。

この仕草は、俺が考えを曲げないよってときの合図みたいなものだ。

やんは俺が頑固だって知ってるから、この仕草をすると一旦冷静になってくれる。





するときりやんは、

きり「……そ、だよね。ごめん。俺ちょっとおかしくなってたみたい。いつもならあんな風に言わないのに。

……もう寝るわ。おやすみ。」


きん「うん。おやすみ。」



……と、やんに言ってから冷静になって考える。

俺きりやんがいなかったら、シャークんにどんなこと言ってただろう。

自分もきりやんみたいなことを言ってしまっていたのではないだろうか。


きん「…はぁ。」


時計を見るともう21時を回っていた。

今日は色々考えすぎた。

きん「もう寝よ」

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