【d!】〔悲報〕この乙女ゲーム、ヒロイン居ないんだが?

36話 ページ38

シャ「一回、頭冷やしてこよ」


あのままの状態だと、なんか、俺が俺じゃなくなってく気がした。









・


ｶﾞﾁｬ



ドアを開けた途端、冷たい外気が、俺の肌を撫でる。


屋上は通り雨が降ったのか、地面は軽く濡れていた。

それが寒さを更に増幅させていて、めちゃ寒い!


シャ「さっむ!……ここにスマイルいないかな」


あいつって一見何も見てない、聞いてないと見せかけて、一番よく覚えてるからなぁ……


皆の思い出の場所にいる可能性が高いな。


ここに来てからの思い出の場所って…………






・









あ


わかった



あそこで間違いないだろうと思い、屋上の端まで走る。

シャ「こっから見えるっけ……?」



そう呟いて、下を覗き込んだ。




……その途端、



「あれー?シャークんじゃん。どしたのぉ?」


すぐ後ろで、そんな声がした。


慌てて振り替える。と、




……そこにはぶるーくが。

シャ「なんだぶるーくか。驚かせるなよ……っ!?」




ぶるーくは俺が振り返った途端、"あ"って顔して、出しかけた両手を引っ込めた。


……まるで、俺を下に突き落とすチャンスが無くなってしまった……みたいな顔をして。






………いや、そんなわけないだろ。きっと気のせいだ。

こいつだけは、そんなことしないって、仲間を傷つけたり、、ましてや殺したりしないってわかってるから。


……そう思いたいから。




シャ「……ぶるーく、ここから、農園って見えるっけ?」


俺は、見てみぬ降りをする。



ぶる「んぇ〜?見えると思うけど〜」






……俺がいないとき、一体何があったんだよ、ぶるーく。

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