30話 ページ32
-ショッピside-
『ありがとな』
そう言われたとき、全てわかった気がした。
なぜ俺が、ここまでこのゲームを守ろうとしたのか。
なぜ、喜ばれもしないのに、歴代の主人公達に、この話を繰り返し話したのか。
あぁ。俺は、誰かの役に立ちたかったんだ。
そして、ありがとうって。ただただそれだけの言葉を言って欲しかったんだ。
今までの主人公達はこの話をしたら、顔をひきつらせて、凄いね。としか言ってくれなかった。
でも、こいつは、こいつなら、俺は……
ショ「帰りたいなら、帰れますよ。」
本当は帰ってほしくはないけど。
『は?』
ショ「だから、向こうの世界に帰りたいなら、帰れますよ。」
彼はここでは幸せにはなれない。
『え……俺、帰る気ないよ?』
ショ「それはダメです。早く帰って下さい。
……そしてあなたの父親に頼んで、俺らをここから出して下さい。」
俺らがここから出られないことくらい、もう分かってるけど。
『いや、父さんはショッピくん達を閉じ込めた犯人ではないと思うぞ。』
ショ「いや、違ったとしても、プログラマーなんでしょ?頑張って下さい。
…………お願いします。もう帰りたいんです。」
こうでもしなくては、彼は帰ってくれないだろう。
…良心に漬け込むのは、少し気が引けるけど。
『……っ……わかった。』
少し苦しそうな顔をして、彼はそう言う。
あ、そんな顔も好きだな。
……そう考えてしまう俺は、多分もう元には戻れない。
・
『ほ、本当に帰らす気かよ……』
ショ「当たり前です。……俺の気が変わる前に、はよ帰って下さい。」
『……むぅ……わかった。絶対、絶対助けるから。
…にしても、ショッピくんのエンドで終わらせて良かったのかよ…』
ショ「あんたなら、良いっすよ。……友情エンドで終わりましょ。」
『っと、その前に……』
そう言って彼は、こっちに向かって歩いてきた。
何だろう。
『ありがとな。ホントに。』
近い。俺より少し小さな頭。
つむじまで見える……ちっさすぎんか?
なんて呑気に考えてたら、彼は突然、俺に抱きついてきた。
ショ「ヒアッ!……び、びっくりしたっすよ……どしたんすか?」
『ん。なんか、人肌恋しくなって。
…ありがと。オレの我儘にも付き合ってくれて』
じゃあな!
そう言って明るく笑ったAの顔も声も、多分一生忘れない。
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ゆきみん(プロフ) - うわー!すぐ直しておきます!長い間お返事できずすみません……!ありがとうございます💦 (9月21日 17時) (レス) id: cfe897536d (このIDを非表示/違反報告)
枯れた紫陽花 - あの〜、rbrさんは自分のことワイって言わへんで。rbrさんは俺って言うで。ワイって言うのはshp君。マジコメやけど。 (2022年8月27日 15時) (レス) id: 5aa1bb0c09 (このIDを非表示/違反報告)
あおうみ - まじで面白いですね!50mうち11秒台だお☆9秒台でも憧れます♢ (2022年7月23日 22時) (レス) @page3 id: 622d287965 (このIDを非表示/違反報告)
アップルパイ - すみません、私は腐女子なので、あーる18も見てみたいッ......という欲があったりしますね.....!私は今のままでもめちゃくちゃ面白いと思っているので、無理に考え過ぎず、更新、頑張ってください!長文失礼しました! (2021年10月1日 21時) (レス) @page17 id: 429bc61a18 (このIDを非表示/違反報告)
アップルパイ - 楽しみに待ってますッッ!!! (2021年9月25日 18時) (レス) @page15 id: 429bc61a18 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆきみん x他1人 | 作成日時:2021年9月7日 18時