【d!】〔悲報〕この乙女ゲーム、ヒロイン居ないんだが?

26話 ページ28

ショ「ひとらんさんの死は、無駄にはできないので」



そう言われて、



『え』、と、思わず素の声が出た。





『え?……あいつ、死んだの?



……いや、でも、死ねないんじゃ?……だってここは……ここは……』



"ゲームの中だから"


そう言おうとして、直前で踏みとどまった。




こいつは、あくまで攻略対象。



こいつらにとって、ここは普通の世界なのだ。









……なのに、


ショ「…あくまでもゲームの中……でしょ?」


『な、何でそれを!?俺、言ったっけ?』





何で知ってるんだよ!……





じゃあお前らは、誰なんだ?






焦るオレを横目に、ショッピは喋り始めた。


ショ「だから言ったっすよね?ひとらんさんと俺は他の人とは違うって。

……俺らはこの世界のことを誰よりもよく知っているつもりです。あんたも、あっちの世界からきたんですよね?」



"あっちの世界"

それはきっと、オレが住んでいた世界のことだろう。



というより、


あんた"も"って、どう言うこと?』



そっちの方が気になる。



お前らは、攻略対象じゃないのか……?



ショ「……少し、昔の話をする必要がありそうっすね」




といい彼は、明後日の方向を見ながら昔の話をし始めた。




ショ「あれはまだ、俺らが高校2年生のときのこと……










・







画面に光るゲームオーバーの文字。


その画面を食い入るように見つめる数人の影。


夜の学校と言うのに、明るい校舎内。

全てがイレギュラーなこの日、俺らはあっちの世界から消えた。



















鬱「……うわ!またゲームオーバーかよ!この乙女ゲーム難しすぎ!」


トン「……夜の学校に忍び込んでまでやりたかったのか?そんなゲーム。」


コネ「え?トントン知らんの?この乙女ゲーム、難しいって噂やって!」




この日俺らは夜の学校に忍び込んで、男だから乙女ゲームくらいすぐ終わるだろ!

と思い、すごく難しいと噂の乙女ゲーをしていた。

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