【d!】〔悲報〕この乙女ゲーム、ヒロイン居ないんだが?

２話 ページ3

イーや〜だー!!!こっち来んなー!!!










ふぅ。何とか逃げ切った…



50m走10秒台の足遅いオレが、久しぶりに全力疾走したから疲れた





じゃあ家に帰りましょか!


と、歩きだした瞬間







「こんなとこで何しとんや?」





『……ゑ?』




そんな声がした。




恐る恐る顔を上げると……





さっきと違うイケメンの顔がドアップで写った。








てかここどこ?





?「……あの、そんな見つめられても……」


『あ、すんません、』






なんか思考停止してたらずっとイケメンの顔を見つめてたみたいになってた


申し訳な



てか、こんな道路の真ん中で何やっとんやろ


「服装チェックしとんや」


『あ、お疲れ様っす。』


え、心読まれたんだが?











…………ん?



一般道路で服装チェックなんかするか?








…………ん?



『ぇ〜っと、何で此処で服装チェックを?』


「いや、学校の前やん。……ほんまに大丈夫か?(頭)」


()の中が見えてるんだよ!!








半ば諦めの胸中で右の方を見る。


そこには、ドで〜ん!!と、めっちゃくそ広い、めっちゃくそ広い学校が。

(大事なことは二回言いたいタイプの人間)



いや、これ学校か?


城だろ



「すっごいよなぁこの学校。…………あ、俺はトントンっちゅうもんや。よろしゅうな〜」


『は、はぁ……あ、オレは、Aっす。よろしくっす』




切実によろしくしたくない



トン「そんな感じやと、転校生か?……」


『ま、そうですけど……』



トン「ほな、ついといで。職員室までつれてってやるわ」




嫌だぁぁぁ!!!!!




『い、嫌、いいです。一人で行けます。』


こんな見るからにイケメンと歩いたら、オレが後から刺されたりしそうじゃん!?嫉妬とかで!




トン「そんなこと言わんと。さ、行くぞ〜」





ちょ、今ここでオレが譲ると、オレの命が無くなるから!

頼むからどこかへ行ってくれ!





『嫌って言ってるじゃないですか!ほっといてくださいてかもう二度とそのイケメン面をオレの前で見せないで下さい!では!』


と言い、校舎に向かって走り出した。
























トン「……俺に向かって近寄るな………かぁ。



気に入った。グルさんにも言わんとな」







トントン ♡20


















トン「……っていうかあれ、ほぼ誉め言葉やないかい……はっず……」

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