絶対王政☆【wrwrd!】【男主】

グルッペン ページ19

しまった

まさかここに来るとは

せめて事前に言って貰えればトントンを隠せたのに


書類と葛藤していれば扉が開く音がした。
あぁ追加が持ってこられたのだと、
隙間から扉前を見てみれば、鬱の姿が。
嫌な予感のようなものがして下を見れば、

そこには金髪にエメナルドグリーンの淡い瞳
この国の国王。A・アルメティアの姿があった

Aは視線を上に向ける。
すると目があったように思えてしまって、
トントンの方へと視線を向けた

どうやらトントンも気づいたようで、口をあけては閉じて、目で焦りを訴えかけていた。

｢(…行くゾ)｣
とコチラも目で訴えかけ、急いで国王の前に行った

頼むから何事もなく帰ってくれ。
トントンには気づかず俺にだけ興味をもってくれ


頼む




それは儚い祈りにすぎなかった

ここに来た理由を尋ねたら、文字を読みに来たと聞こえた。

前の王や、他の貴族共は、普通、文字を読むことをめんどくさがる。
お陰で国が回らなそうで、俺が今、躍起(やっき)になってやっている訳だが


コイツは相当なモノ好きだ。


モノ好きはトントンへと注意が向いた様だ

はぁ。クソ…ホンマにモノ好きめ


トントンは貴族の産まれではない。

貴族の者共が政治をしているその中で、
平民(トントン)が政治に関わってると知られれば、
どうなるだろう



せめて、俺が手伝わせているのだと
そう主張しよう。


さて、どうする
前王ならここでキレていただろうが…


『…うん
名前は？…私はA・アルメティア』
｢｢…！｣｣

Aはトントンの前に行き、自らを名乗った


トントンが顔を下げたままコチラを見てくる
眉を下げている表情は困惑の意がとらえられた。


いや、まて、え？
グルッペンも困惑を見せた。

だが、
今は名乗るしかないゾ、トントン…

強い意志を乗せてトントンをみた。
｢…。
トントンと申します｣
トントンは顔をあげて名を名乗る。

『ん。』
Aは1つ頷く



『…よし。じゃあ仕事しよう』

｢｢…は、い？｣｣
訳が分かってないが、そう言われれば仕事するしかない。思わず疑問形で返事をした。

とりあえず自身のデスクに戻る

鬱がついてきた
｢…？｣
｢いや、ちゃうねん｣
なにがやねん

｢王子が仕事すんねんて｣
｢？？？｣

｢とりあえず机持ってこさせるから真ん中のとこ開けてや｣
｢…お、おう？｣
鬱が反対側、トントンの方へと向いたので
つられて反対側をみた



トントンの膝上にAの姿があった

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