( 続 ) 温 度 差 ℃ ___ Reo . S

78℃ ページ28

.





頑張ろう、って決めた矢先のこと。

玲於くんはGENERATIONSの活動はもちろん
個人の仕事もどんどん決まっていった




「 売れっ子の仲間入りかー… 」





嬉しさと、寂しさの狭間にいる私
しっかりしなきゃいけないのに。


今日は、朝からずっと撮影で
夜は役者さんのお友達と飲んでくるみたい


もう軽く、3日くらい会えてないかも

来週には地方のホテルに泊まるって言うし …




私たちどんどん会えなくなりそうだなぁ

こんなに近距離なのに






玲於くん今から行っていい?


「 え、今から？」




おかしいなぁ、今日は夜遅くまで飲んでくるかもって言ってたのに

もうお開きになっちゃったのかな？





A今どこにいる?

玲於くんエレベーター





てことは、もうマンションじゃん！
私はLINEを読んですぐ玄関を飛び出した

そしたら玲於くん、「早すぎ(笑)」って笑うの

3日ぶりだなぁ、玲於くんの笑顔






玲於「 ただいま 」


「 なんで？今日飲んでくるから、会えないって… 」


玲於「 Aの寂しそうな声聞いたら、ほっとけねーじゃん。」


「 私そんな寂しそうにしてた？」


玲於「 うん。頑張ってね！って言ってるのに泣きそうな声してた 」






どうしよう

めちゃくちゃ嬉しい …


お誘い断って逢いに来てくれた、ってことでしょ？






玲於「 で、どうする？俺帰って来たよ 」


「 … 玲於くん っ 」


玲於「 ん？」


「 だいすき … 」


玲於「 馬鹿、ここで言うなし 」






“ 早く家入ろ ” って私の手をとって家に入る

玄関の鍵閉めた途端、玲於くんに抱き締められて
ちゅ、と頰に口付けされる

外にいたからか、唇がちょっとだけ冷たい





玲於「 何で隣人なのに、こんな逢えないわけ 」


「 仕方ないよ、お仕事だもん 」





玲於くん、お腹空いてるって言うから

キッチンにあった、あったかい味噌汁と
ホカホカの白米と 茄子と豚肉の炒め物

私一人だとこんなシンプルなレシピなんだけど

それでも「手料理ならソレ食いたい」って言うからすぐに準備した






玲於「 … んまい。」


「 ふふ、良かったぁ 」





忙しい中逢いに来てくれた玲於くん

これからもっとお仕事も増えて 今より逢えなくなるかも知れないけど

私はそんな彼を、支えて癒してあげたいと思った










.

79℃→←77℃

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す