【呪術廻戦】推しが宿儺でどうしよう【両面宿儺】

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悠仁君の体に入り込んでから早一ヶ月。

やはり慣れというものは恐ろしく、呪術師という特殊な肩書きも相まってか私はすっかりとこの生活が板に着いてしまった。




｢ふんふん、いい感じ。｣




カシャリ、と軽快なシャッター音に鼻を鳴らしながら数度頷く。

あれからと言うもの、私は毎夜入れ替わる度に悠仁君の写真を撮っては自身のスマホにそれを溜め込んでいる。

一人で撮るのも悲しいので、時折先輩や五条先生も一緒に写って貰ったり。
あの写真嫌いの伏黒君を写すのはなかなか苦労がかかるけど、結局最後は折れてくれる辺り彼は優しい。





｢……こんなことになるなら悠仁君とツーショット撮っとけばよかったなぁ。｣




そう。何が悲しいかって、肝心の私との写真が一枚たりとも無いことだ。

今思えば悠仁君を推し始めてから目に焼きつけるばかりで、写真に収めたことはなかった。くそう、何してるんだよ過去の私。






ぎぃ、と椅子を鳴らして、今一度机に向かい直す。


ペンを手に取って開くは一冊のノート。中には悠仁君の字と私の字が、ページを変える度に交互に綴られている。



言わば交換日記だ。

直接話せない代わりに、互いのその日の出来事をこのノートに連ねている。




｢……そう言えば最近悠仁君と会わないな。｣




最初、宿儺と悠仁君と三人であの空間に入ったことがあるから、不可能ではないはずなんだけど。





｢……ん？｣




視線を文字の上で滑らせていると、ふと引っかかる一文が目に入る。

私の書いた文章。毎日毎日宿儺に嫌味やら意地悪をされて辛いという文句が並ぶ横に、悠仁君の文字で書かれていた返事。




『気に入られてるんだな』




……いや、どういう事だ？

普通逆では？気に入られてないからこそ、呪術師を辞めろだの弱いだのと嫌味ばかり言われているんだろうに。


その一心でページをめくれば、悠仁君は更に言及していた。




『特別用でもない限り、俺は領域に入れて貰えないからさ。』




｢……え、｣




落ちる、違和感。

私は、入れ替わって以来あの空間以外に行ったことは無い。だからてっきり、体の主導権が悠仁君にある限りはずっとあの空間なのだと思っていたのだけれど。




｢……まさか、ね。｣




一瞬だけ辿り着きかけた結論は、宿儺が“意図的に”私をあの場に引き留めているというもの。


いや、本当にまさかだろうな。

そんな面倒なこと、あの人がする訳ない。


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