【銀魂】宇宙船の旅で Ⅱ【神威】 (ページ8)

今日:3 hit、昨日:9 hit、合計:10,345 hit

＊５６＊ページ8

会議があるから、と神威は部屋から出ていった。
Aはベッドにドサッと倒れ込む。

『はあ…まだ昼なのになんでこんなに疲れるんだ…』

慣れない仕事、神威との訓練…。
まだ業務はあるのにどっと疲れが襲っていた。

『みんな、いつもこんなことをしているんだ…』

阿伏兎の苦労をひしひしと感じていた。
神威もあんなに身体を動かして、今度は会議だった。
疲れなんてないのだろうか、と不思議に思っていた。

Aは神威から持ってきてもらったお見舞いの食料に目をやる。

『こんなに、いっぱい…』

厨房で使う食材もいくつかあったが、甘い果物が多かった。
水分は確かに必要だったが、さすがに量が多いため1日で消費は出来なさそうだ。

『まあ、果物なら食べれるかな…』

Aは部屋でしばらく休んだ。

一方神威は、会議に出てはいるものの面倒だなと思いながら話を聞くなり進めるなりしていた。

「(やっぱりAに来てもらえばよかった、やる気出ないや)」

時間が長く感じたようで、自分が話を振られた時は適当にさっさと返して早く会議を終わらせようとしていた。

「(面倒だなぁ、つまんないし)」

長い1時間は流れていった。
何の生産性もないつまらない定例会議だった。

「あーあ、やっと終わったよ」

神威はひと仕事終えた、という気持ちで自分の部屋に向かう。

するとAの部屋の前に誰かがウロウロしているのに気づく。
あれは、前にも見たことがあった。
Aに声をかけて襲おうとした団員だった。

そいつはAの部屋のドアにそっと手をかけて回した。

そこに神威が声をかける。

「何してるの？」

相手はビックリして、神威の方を見る。
怯えた顔に豹変した。

「あ、この前の！まだ懲りてなかったんだね？」

「う…」

「どうしたの？開けたいの？ちゃんとノックしないとダメだよ」

「す、すみませんでしたー！」

団員はさっさと逃げていった。
Aはなぜか変な奴に狙われやすいみたいだ。

神威はノックしてAがいるか確認する。

「Aー？」

返事はなかった。
鍵はかかっていたか確認する。

ガチャッとドアノブは回って、ドアが開いた。

「あり？鍵かけ忘れたのかな？」

眠っているAに声をかける。
Aは寝返りを打って、目を開ける。

『んー、神威？なんで？』

「会議終わったよ、A鍵かけ忘れたの？」

『え？寝る前には閉めたけど』

神威は驚いた。
まさか、あの男だろうか？