41コール 想い ページ43
*
「ただいま」
彼は笑った、なんてことないように、いつものように
『…な……んで…?』
驚きすぎて、小さく、掠れた声しか出なかった
彼はうなじに手を当て、視線を泳がせる
「……どうせ手前は、俺が帰ってこなくて寂しがっているんじゃねえかと思ったんだ」
だから、なるべく早く任務を片付けてきたんだよ
彼は、どうやら、少しだけ照れているようだった
何だその理由…、と思うのと同時に私はたまらず彼に駆け寄った
『…心配、したんですよ』
「ああ、知ってる」
『私がどれだけ不安に思ったか、わかっていますか!』
「…わかってる」
『嘘です。わかっていません。貴方は莫迦です。大莫迦です!莫迦!』
「莫迦って酷くないか、っておいおい殴ってくんな。地味に痛ぇ」
莫迦、莫迦、と云いながら彼の二の腕のあたりをばしばしと叩いている私ははたからみれば、不審者そのものだろう
彼は、しょうがないなあ、とでも云うように微笑んだ
『貴方は…貴方は莫迦です』
「そうだな」
『組織のことより、自分の事を考えてください』
「確かにな」
『大莫迦者です』
「ははは。だから、悪かったって…」
『好きです』
彼が驚いたように瞳を見開いた
綺麗な蒼い瞳が揺れた
今云った事。これが私の気持ちだ
ずっと、見て見ぬふりをしていた気持ちだ
彼に伝えたかった気持ちだ
例え、この気持ちのせいで彼の側にいる事ができなくなっても
それでも伝えたかった想いだ
私は彼をまっすぐ見つめて云った
『大好きです、中也さん。私は貴方が大好きです。』
彼は何も云わなかった
気づくと私は、
彼に強く抱きしめられていた
*
2124人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
水瀬琥雪 - うぅ…好きです!!こう言う恋も素敵だなぁ… (2022年12月21日 22時) (レス) @page46 id: 27e17eb645 (このIDを非表示/違反報告)
もち - 六さん» そうなんですね。ありがとうございます。 (2022年3月1日 19時) (レス) id: 71a9499b2d (このIDを非表示/違反報告)
六 - もちさん» あ、混乱させてすみません。もう自分が通報したので消えましたが、この葵って人、謝った後「なんて言うとでも思った?wwおばさんww」って返しててあまりに失礼だと思ったので介入しただけです… (2022年2月26日 0時) (レス) id: e32b92c4c5 (このIDを非表示/違反報告)
もち - 六さん» どういう状況すか?よくわからないんですけど。 (2022年2月24日 0時) (レス) id: 5b4b0a933b (このIDを非表示/違反報告)
六 - 名無しさん» 名無し、お前は間違ってないぞ。評価1000評越えが羨ましいキッズが妬んでアンチコメしたらばっちり言い返されてキレてるだけだからwこういう奴は相手する価値ない。無視しようぜ。 (2022年2月8日 1時) (レス) id: 7b7a62c26c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ