32コール 光 ページ34
*
待ってろ、と云い残した彼は、何やらごそごそと手に持っていた紙袋を漁った
『な、なんですか……それ…』
私が聞くと、彼は得意げな顔で紙袋から
彼が持っていたもの、それは_____
『お、折り鶴?』
彼の手のひらの上に、ちょこんと綺麗で可愛らしい折り鶴が乗っていた
うん、素敵。素敵だけど…
……これでどう元気付けると?
どういう反応をすれば良いのか迷っていると、彼が「まあ、見てろ」と未だ得意げに笑った
彼は手袋を外し、部屋の電気を消した
「…手前に俺の異能力を見せたことはなかったな」
『異能力?』
「そうだ」
彼の異能力は重力操作だ、ということは知っていた
暗闇の中で彼が再度手のひらの上に折り鶴を乗せるのがわかる
折り鶴のあるあたりをじっと見た
と、
ぼうっと淡く折り鶴が光り出したかと思うと、ふわり、宙に浮かびあがった
『わ、わあ……!』
緩く光る折り鶴が羽ばたいている
それは言葉で表せないくらい綺麗だった
浮かせることはできるけれど羽ばたかせることは苦手なのか、鶴の羽ばたきは不安定
でも、私の為に彼が頑張ってくれていることがひしひしと伝わってきて胸のあたりがあったかくなった
「これもあるぜ」
と、彼はどこから持ってきたのか、たくさんの星やハートの形をした光る玩具(よく夏祭りの屋台で売っているやつだ)の灯りを一つずつつけた
そして、それらを一掴み手に取ると、ふわりと宙に投げた
投げられたものは、そのままふわふわ空中を漂う
暗い部屋中に色とりどりの淡い光が満ちた
まるでプラネタリウム……いや、もっとすごかった
『きれい……』
部屋を埋め尽くす光に、つい、見惚れてしまった
*
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水瀬琥雪 - うぅ…好きです!!こう言う恋も素敵だなぁ… (2022年12月21日 22時) (レス) @page46 id: 27e17eb645 (このIDを非表示/違反報告)
もち - 六さん» そうなんですね。ありがとうございます。 (2022年3月1日 19時) (レス) id: 71a9499b2d (このIDを非表示/違反報告)
六 - もちさん» あ、混乱させてすみません。もう自分が通報したので消えましたが、この葵って人、謝った後「なんて言うとでも思った?wwおばさんww」って返しててあまりに失礼だと思ったので介入しただけです… (2022年2月26日 0時) (レス) id: e32b92c4c5 (このIDを非表示/違反報告)
もち - 六さん» どういう状況すか?よくわからないんですけど。 (2022年2月24日 0時) (レス) id: 5b4b0a933b (このIDを非表示/違反報告)
六 - 名無しさん» 名無し、お前は間違ってないぞ。評価1000評越えが羨ましいキッズが妬んでアンチコメしたらばっちり言い返されてキレてるだけだからwこういう奴は相手する価値ない。無視しようぜ。 (2022年2月8日 1時) (レス) id: 7b7a62c26c (このIDを非表示/違反報告)
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