16コール 小動物 ページ17
*
「アンタ、いつまでここに居るつもり?」
体育座りをする私を見下ろし、腕を組んだ友人が私に云った
此処は、今まさに私の前で仁王立ちをしている彼女の家である
現在、そろそろあたりが完全に暗くなってくる時刻。だんだんと夕飯が食べたくなってきた
そんな時刻迄、人様の家に居座っているとは何事か
彼女の云いたい事はよく分かったが、それはちょっと無理な相談だった。代わりに私は自分の膝を抱き寄せる
『…嫌。帰んない』
「嫌ってアンタねぇ…」
小学生じゃないんだから、と友人は困った顔をした
迷惑をかけてしまっている事を申し訳なく感じながらも、どうしようもなくて、私は自分の膝に顔を
『だって…』
帰ったらあのマフィアに会わなくてはいけない
しかも、彼は私の監視という目的のもとで私の側にいるのだ。帰りたい、なんて思える訳がなかった
「何?昨日何かあったの?」
『…家にいるの』
友人は怪訝そうに顔をしかめた
「いるって?動物か何か?」
動物か……
『…云うなら、小動物』
彼女はぱちくりと瞬きをした
「小動物……ペット?」
『 違う…。あんなのがペットとか嫌だよ。昨日は、ベッドを占領されたし…』
「小動物に?」
『小動物に』
彼女は、いよいよ訳がわからないと首を傾げてしまった
「うーん…。何はともあれ、その小動物くんの為にも帰った方がいいんじゃないの?」
そうなのだろうか…
たしかに、昨日話した限りでは、彼は悪い人ではなかった……気がする
でも、あの人ちょっとこわいし…
嗚呼、何悩んでんだ私…
優柔不断な自分の思考回路に呆れつつ、次の言葉を云おうと口を開いた、その時
prrrr_________!
ここ最近だけで、随分と聞き慣れてしまった音が聞こえる
嫌な予感がしながらも、私は携帯を取り出した
その液晶に表示された名前は______
“俺ださん”
*
2124人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
水瀬琥雪 - うぅ…好きです!!こう言う恋も素敵だなぁ… (2022年12月21日 22時) (レス) @page46 id: 27e17eb645 (このIDを非表示/違反報告)
もち - 六さん» そうなんですね。ありがとうございます。 (2022年3月1日 19時) (レス) id: 71a9499b2d (このIDを非表示/違反報告)
六 - もちさん» あ、混乱させてすみません。もう自分が通報したので消えましたが、この葵って人、謝った後「なんて言うとでも思った?wwおばさんww」って返しててあまりに失礼だと思ったので介入しただけです… (2022年2月26日 0時) (レス) id: e32b92c4c5 (このIDを非表示/違反報告)
もち - 六さん» どういう状況すか?よくわからないんですけど。 (2022年2月24日 0時) (レス) id: 5b4b0a933b (このIDを非表示/違反報告)
六 - 名無しさん» 名無し、お前は間違ってないぞ。評価1000評越えが羨ましいキッズが妬んでアンチコメしたらばっちり言い返されてキレてるだけだからwこういう奴は相手する価値ない。無視しようぜ。 (2022年2月8日 1時) (レス) id: 7b7a62c26c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ