0.8 ページ9
靴箱に使う途中、当たり前だが廊下を使う。
1階の渡り廊下を渡って、靴箱へ向かう。
「あれ？君、一年生だよね！」
元気な声が廊下に響く。
声の原因を見れば、紺色のネクタイを着けた片目を隠した人が大荷物を抱えていた。
廊下を見渡すが、私以外に靴箱へ向かっている人は居なかった。
小さく溜息を吐いて先輩の方へ振り向く。
「そうです。どうされました？」
「あ〜、こんな事頼むのも申し訳ないんだけど、運ぶの手伝ってくれない？」
と、少し困ったように眉を顰める。
「…分かりました。お手伝いします」
荷物を持ったまま、先輩の方へ向かう。
先輩に、「こっちの方を持って」と、軽い丸まった複数個の紙を渡される。
これは？と、聞けば楽しそうな声で、「秘密」と返ってくる。
「あ、君って魔法何だった？」
「私は、氷でしたね」
「嘘！俺と同じじゃん！」
そう言いながら目をキラキラ光らせる先輩。
「そうですね。…前向いた方が良いですよ」
「わっ！あっびねぇ〜」
柱にぶつかりそうになる先輩。
少しだけ微笑ましく思えば、隣から「ついたよ」の声。
「部屋の前に置いてくれたら嬉しいかな」
「分かりました…よし」
「うん。手伝ってくれてありがとう」
「ふふ。お易い御用です」
少しだけ笑えば笑い返してくれる先輩。
今思い出したけど確かこの先輩は生徒会の人で、副生徒会長だった気がする。
確か…なかむ先輩だった気がする。
この高校はどこか可笑しくて二年生から生徒会長を務めることが出来るらしい。
拡大執行部は全員二年生だった気がする。
「…そういえば、昨日は耳大丈夫でした？」
「いやー、らっだぁさ…先輩達に聞いてたけど、想像よりうるさくてびっくりしたね」
「あはは…そういうので女性って嫌いとかにはならないんですか？」
「んーいや、特には…まぁ例外あるけど」
紙の数を確認しながら返事をする先輩。
こちらを振り向く気配は無さそう。
「…私と関わって大丈夫何ですか？」
「…どういう理由で聞いたのかはわかんないけど…君の目ってね、瞳孔が開いてなくて。人に興味なさげな感じしてるから、大丈夫かなって」
「…そうなんですか…？」
「深堀はしないよ」
やっとこちらを振り向き、物珍しそうに見つめてくるなかむ先輩。
「…すみません時間なので帰ります」
「うん！ごめんね、気を付けてね帰りなね〜」
後ろから再び元気な声が聞こえてきたのだった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 226人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆいな(プロフ) - ナナ(咲海)さん» あのパンダさんみたいにやらk……んん、コメントありがとうございます！読者様も御身体に気をつけてください。 (2022年12月2日 22時) (
レス) id: a2749f031c (このIDを非表示/違反報告)
ナナ(咲海)(プロフ) - すみません、初めてのコメントこれはやらかしですよね()いつも面白くて見てます!!体に気をつけて更新頑張ってください!! (2022年12月2日 7時) (レス) @page34 id: 3f154df861 (このIDを非表示/違反報告)
ナナ(咲海)(プロフ) - ア…本………ｶｲﾀｲ……(うつった) (2022年12月2日 7時) (レス) @page34 id: 3f154df861 (このIDを非表示/違反報告)
ゆいな(プロフ) - 紅さん» 初コメありがとうございます！もっと面白いって思ってくれるように邁進いたします！多分 (2022年11月22日 18時) (レス) id: a2749f031c (このIDを非表示/違反報告)
紅 - とっても面白いです!!続き楽しみにしてます! (2022年11月21日 19時) (レス) @page13 id: b3496c9ef0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆいな | 作成日時：2022年11月18日 17時
