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深澤side
目の前で苦い顔の16歳。高校1年生。
世の中に、16歳でこんな悩みを持つ子はいったい何人いるのだろうか…。
Aちゃんを支えると決めた5人の友人たちは、心と身体だけではなくて、金銭面でも支援をすると決意していた。
だけどさ、やっぱりこの子は一筋縄じゃいかないのよ。
いいよって言われて、はいそうですか、なーんて無理。あいつらに見せてやりてぇよ、この顔…(苦笑)
「やっぱ、お金出してもらってるのは気が引ける？」
コクンと頷くAちゃん。
やっぱり、この子には正直に伝えたほうがいいのかもしれない。
.
言っちゃった…。
こーちもほくちゃんも、樹くんも慎ちゃんもたいちゃんも。
気にするなって言うけど、気にしちゃうこと。
なんでも言えって言うけど、言えなかったこと。
偶然だったけど、このタイミングは運命だと思った。
Aちゃんが知りたいなら、しっかり資料揃えさせてほしいってことで、後日2人で会うことにした。
また連絡する〜！って走っていくふっか先生の後ろ姿に、少しだけ心が軽くなった気がした。
ﾌﾞｰｯﾌﾞｰｯ
"たいちゃん"
京本「Aごめん！朝から話すの忘れてた！今どこにいる？もうお昼ご飯食べたよね？」
「全然いいよ！今ね、中庭にいる〜。ごはん、食べてないや。忘れてた…(笑)」
京本「えぇ！もうすぐ15時だよ！いや、俺が忘れてたのが悪いんだけど…！ん〜、なんかコンビニで買ってナースステーションおいで？いいね？」
「はいはーい！」
たいちゃん、焦ってたな…。ふふっ
ふっか先生と喋ってるうちにそんな時間になってたんだ〜たしかに、お腹空いたかもなぁ。
院内に入るとあったかくて、自分の身体が想像以上に冷えていることに気付く。
スープにしようかな〜。たいちゃんにお湯入れてもらおーっと。あとは、おにぎりでいいや。
みんなに差し入れでもしようかなってお菓子コーナーをうろうろして。
ふと、心配になってお財布を覗くと、お札はすっからかん。小銭が少し。
…。
手に持っていたお菓子をそっと棚に戻した。
ふっか先生に偉そうなこと言ったくせに。
さみしいお財布が、私の社会での地位を表しているようで情けなかった。
両親を亡くした、弟は障害者の私。
社会的弱者の事実を叩きつけられた気がした。
「きびしいなぁ…。」
.
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きなり(プロフ) - こころさん» 嬉しいコメントありがとうございます…！！こうして言葉で伝えてくださると、とても励みになります＾＾楽しんでいただけるように、頑張ります。今後もよろしくお願いします！ (2021年9月14日 22時) (
レス) id: d102b3716c (このIDを非表示/違反報告)
こころ - いつも楽しく読ませてもらっています！毎日更新されるのが楽しみです。これからも更新頑張ってください！ (2021年9月13日 21時) (レス) id: b96a3cc535 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きなり | 作成日時：2021年8月28日 23時
