僕の天使 -七色の空-

眠り続ける王子様 ページ33

サキはユイの胸に顔を埋める。

肩を震わせて涙をたくさん落としていた。


シウォンはサキとユイを大きな腕でそっと抱きしめる。


SW「大丈夫…。ドンヘもやわじゃない…。きっと目を覚まします…。」

YS「また来てやって…。」


彼らは…

誰も私達を責めなかった…


こんな事になって…

仲間を…

家族を失うかもしれなかったのに…


優しい言葉をかける…


いっそ…

ののしって…

責めてくれたら楽だったかもしれないのに…


ソウルの大通りでの出来事は、大勢の野次馬の目撃証言と共に、アッと言う間に世間に知れ渡った。

事務所は対応に追われ、SUPERJUNIORは少しの間活動を休止すると発表した。


スケジュールが入っている仕事を片づけて行くメンバー。

入れ換わり立ち替わり見舞いに来てドンヘに寄り添った。


昨日より今日が良くなっている事はなくて、ドンヘはただ眠り続けた。


天使は再び地上に降り立ちました。

真っ白なワンピースに身を包んで、長い髪を揺らしながら王子様のいる病院の入り口をくぐりました。


天界から想うだけだった私が…

唯一王子様の為にしてあげられる事…


私にしか出来ない事…


胸に秘めた覚悟。

天使は王子様の元へやってきました。


ゆっくり開くICUの扉。

気づかれしてウトウトしているウニョクは、その音にハッとして振り返った。


EH「……A……？」


帰ったと聞かされていたAが目の前にいて驚く。


EH「どうして…ここに…？」

Aは何も言わずに、ただウニョクに近づいた。

ため息をついてドンヘを見るウニョク。


EH「飛び出したユイちゃんを助けようとして…車に轢かれたんだ…。」

ウニョクの瞳に涙がたまって行く。

EH「命は取り留めたけど…いつ心臓が止まってしまうか…分からないんだって……。」

小さな涙が頬に落ちる。

EH「生きていられても…目を覚ますか…分からないんだって…。」


頭をもたげて声を震わせる。

Aは痛々しい程のドンヘの姿を、顔を歪めて見つめていた。


鼻をすすって手の甲で涙を拭うウニョクは顔を上げる。


EH「ドンヘ…Aが来てくれたなんて喜ぶだろうな…。」

無理して作る笑顔。

EH「早く起きろよ…ドンヘ…。」

震わせるのに明るく声のトーンを保とうとしていた。

EH「ドンヘ…なぁ…ドンヘってば…。」


動かない腕を揺するウニョク。

Aはウニョクの手にそっと小さな手を乗せた。

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