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『手…きついよ』
「・・・。」
私の言葉に返事はない。
木村くんが私に話しかけた時から何だかそっけないし…ずっとこんな感じだ。
けれど、手だけは離してくれなかった。
余りにも強く握られ過ぎたせいで手に意識が集中してしまい、何度も転びそうになる。
『そういえば、次何のアトラクションに乗るの?』
「んー、何でもいい。
A、
_____え、何それ
今にも胸が張り裂けそうだ。
『そしたら、二人で来た意味無いじゃん。何で…』
イザナくん、分かってない。
私が“今日”をどれだけ楽しみにしていたか、を。
「…お前が他の奴に愛嬌振りまくから」
『…振りまいてなんか…』
「・・・。やっぱやめた。
こっち来い」
そう言って、離れかけていた手を再び握り直す。
言葉の意味も分からず、人混みをを縫うように進んだ先にあったのは____
『…観覧車?』
_____
ゴンドラに乗った後も会話が全くなかった。
本当に離れ離れになってしまうのではないかと不安で仕方がない。
『…イザナくん。不安にさせてごめん』
「…俺は平気。
本当は、お前も傷ついてることも分かってた。」
その時、どうしようもない感情が襲ってきて_____
私は思わず席を立った。
そして、向かいの端の席に座る彼の頬に、そっと唇を触れさせる。
「A…何してんの」
『ごめん…けど。離れたくない。
自分でもよく分からない。…けれど、溢れ出す言葉が止まらないのだ。
「俺は…木村に腹立ってただけだし。
木村ボコろうかと思ったけど、馬鹿馬鹿しくなってやめた」
『それはちょっと…』
「止めるだろ。だから“一人でいろ”って言ったんだ。勘違いさせてごめん」
私、彼の言葉を真に受けただけ…?
「…で、“離れたくない”って言ったよな」
『そうだけ___』
言いかけた途端、胸に抱き寄せられる。
このまま観覧車から落ちたらどうするの、など言う暇もなく唇も奪われた。
ホッとすると同時に、腕からじわじわと痛みが伝わってくる。
駄目だ、私、イザナくんが居なきゃもう安心できなさそうだ。
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ゆあめ(プロフ) - 昼夜逆転マンさん» ありがとうございます!楽しみにして下さるなんて嬉しいです(*‘ω‘ *)他のお話も時間があるときに更新していこうと思ってますので、是非よろしくお願いします!続編も近々上げる予定ですので、これからも頑張って続けます…! (2022年9月3日 22時) (レス) id: ab55678354 (このIDを非表示/違反報告)
昼夜逆転マン - すいません。見るの遅くなりました!凄く良かったです!ずっと続きを楽しみにしていたので見れてうれしいです!本当に大好きです!ほかのお話も見させていただきます!これからも頑張ってください! (2022年9月3日 14時) (レス) @page48 id: b028cbeeeb (このIDを非表示/違反報告)
ゆあめ(プロフ) - 昼夜逆転マン3さん» コメントありがとうございます!好きーーーーーーのお言葉嬉しいです(*ノωノ)あともう少しで続編作りますのでお楽しみに!頑張ります…! (2022年8月27日 11時) (レス) @page46 id: ab55678354 (このIDを非表示/違反報告)
昼夜逆転マン3 - ちょっと、急ぎの用事があって時間がないので、感想を短くまとめます。 すきーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!! これからも頑張ってください! (2022年8月26日 23時) (レス) @page46 id: c03225e7d0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆあめ(プロフ) - 昼夜逆転マン3さん» コメントありがとうございます!確かに依存してますね…。実はもうオチは決めているのですが、パート3を作らなければ完結できそうにありません(^-^;更新頑張ります! (2022年8月21日 14時) (レス) @page44 id: ab55678354 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆあめ | 作成日時:2022年4月27日 21時