私が君を愛すから ２【黒川イザナ】

意気込み・ ページ39

『よし、今日のノルマ達成！』




机の上に広げられたワーク、参考書やノート。




学校のものとは別に、塾からも宿題が出ているのだ。




家ではあまり集中できないので、塾のない日は図書館の自習室へ行って勉強している。勿論今日だってそう。







「あれ、Aちゃんじゃん！」




『あ、伊織ちゃん。久しぶり！伊織ちゃんも自習しに？』




「ううん、自由研究で使う本を借りに来たんだ。」




自由研究の本か…熱心で偉いなぁ。




「今からカフェでランチ食べようと思うんだけど、良かったらAちゃんも一緒にどう？」




『いいの？コンビニのおにぎり代しか持ってないけど…』




「そっか＿＿＿＿＿…じゃあ、もう私の家で食べよ！」




結局、私は伊織ちゃんちで昼食をとることになった。


＿＿＿＿＿

『相変わらずの伝統家屋…』




「この前塾の友達呼んだら“ト○ロに出てくる家みたい”って言われたんだけど」




そのうち、伊織ちゃんの部屋である元応接間の離れについた。




「暑…！




Aちゃん、熱中症大丈夫そ？」




『全然大丈夫！』




伊織ちゃんは、冷蔵庫からアイスバーを取り出した。




というか、自室に冷蔵庫があるってかなり癖強めだと思う…。




「やっぱり夏にはコレだよね。はいどうぞ」『ありがとう！』




アイスバーを受け取り、一口。イザナくんの時よりも冷たくてあっさりとしている。




「そういえばさ、私Aちゃんに聞きたい事があるんだ〜！」




『んー？何？』




伊織ちゃんの顔がにやけていた。この表情は、よからぬことを企んでいる…




「Aちゃんはさ、黒川と夏休み遊ぶ予定ってある？」




『えっ？』




「だってさ、Aちゃんと黒川…展開遅いじゃん。




この前だってお泊まりしたんでしょ？




彼氏彼女が二人きりで夜を明かすとなったら、“そういうこと”をしてもおかしくないよね」




まぁ確かにそうだけど…。




今どきの中学生は踏み込んだことをしているらしいし。




けど、予定と何か関係あるの？








「遊ぶときに、ぐんと距離を縮めたいとは思わない？」




距離を縮める…か。最近進展とかもあんまりないしな…。




『明後日、二人で遊園地に行く予定あるから、その時頑張ってみるね』




「よくぞ言ってくれた！デート頑張ってねー！」




『ふふ、ありがと』




伊織ちゃんが背中を押してくれた。




明後日、もっと仲良くなれるように頑張ってみよう。

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