私が君を愛すから ２【黒川イザナ】

オムライス・ ページ38

今日はイザナくんを家に呼び、朝から勉強会をしていた。




『良かったじゃん、今年こそは宿題全部提出できそうだね！』




「俺のやる気が続けばな」




どうやら彼は勉強が嫌いらしく、今日の勉強会でやっと手を付け始めたのだと言う。




もう8月に入ったというのに…けれど、今日だけで結構進んだので、この調子だったら終わりそう。




『今からオムライス作るけど、食べてく？』




分かった、とオッケーサインを出す。実はオムライスは初挑戦…上手く行くといいな。

＿＿＿＿＿

作っている途中、ずっとTVを見ていたイザナくんがキッチンに来た。




『待たせてごめんね。もう少しで出来るから…』




「いや、そんなのじゃなくて。




＿＿＿＿なんか手伝えることってある？」




意外な一言に、暫くフリーズしてしまった。




『今はないかな。とりあえず箸運んどいてくれる？』




「分かった」




彼はあくまでも来客なので、割り箸がストックしてある棚から一本箸を出した。




『私の箸の場所…分かる？』「おう」




確かに場所はあっている。




私が思っているよりも、ずっと家庭的なのかもしれない。

＿＿＿＿＿


出来たオムライスにケチャップをかけた。これで遂に完成だ




『出来たよ、食べよ食べよ〜！』




「あぁ…というか、オムライスのケチャップ癖あり過ぎ」




『そ、そうかな？』




ハートを書くのはベタ過ぎるかと思ったので、イザナくんの分には「黒川イザナ」、私の分には「雨宮A」と書いた。




これの何処か癖ありなのだろうか…？




「ハハ…いや、普通に考えてケチャップで人の名前書く奴はあんまいないだろ」




『もー…とりあえず食べてよ！文句はその後でね！』




私は強引に彼の口にオムライスを放り込んだ。








「…美味い」




『そ、それはどうも…』




「Aのケチャップの名字、“黒川”に書き換えていい？」




『あー、黙ってやってればなぁ』




「…んなもん知るかよ」




でも、私の名字が変わるのもきっと時間の問題…そう、この時は(・・・・)呑気に考えていたんだ。

＿＿＿＿＿
本当はこの小説“２”で完結しようと思ってたんですけど、流れ的に新たに続編出さないと終わらないことが分かりました。長い…
多分休み中には２を書ききると思いますので、続編出たときはどうか宜しくお願いします！

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