私が君を愛すから ２【黒川イザナ】

悪天候・ ページ29

『はぁ…』




ベランダの外を見て、溜め息を一つ。




何故なら、荒れ模様の天候だからだ。




私は幼いころから悪天候が好きではなかった…正直、雷とかよりも苦手。




「現在、関東地方には台風が＿＿＿で…」




そして、テレビがひとりでに消える。




『幽霊？なわけないか』




天気の関係で停電したのだ。さっきまでついていた部屋の照明も消えた…




私はそっと毛布を被る。




『はぁ…嫌だ、怖いよ…』




そういえば、木下くんに告白された日もこんな天気だったような…。




親は今日も出張で帰ってこないし、嫌な出来事思い出すし。




天気が悪い日って、本当についていない。









その時、ふとこう思ったんだ。




『イザナくん、今どうしているんだろう…』




このままずっと家にいても怖いし嫌なので、早く安心したかった。




私は携帯をとり、彼に電話をしてみることにしたのだ。




プルルル…




真っ暗な部屋に無機質な呼び出し音だけが響く。








「…もしもし」




いつもは五コール位でやっと出てくれるのに、この日は早かった。




『い、イザナくん！えっと…今、台風来てるじゃん』




「ハハ、Aが言いたい事は分かるよ。




“シセツに来てもいい？”だろ」




ドキリとした。




『イザナくん、もしかしてエスパー…？』




「超能力なんて俺にあるわけねぇよ。Aってすぐ怖がりそうだし、今だって声が震えてるから」




『うん…』




「とりあえずシセツに来い。親もどうせ帰ってこれそうにないだろ。対応は後で考える」




『ありがとう！じゃあ、私今からそっち向かう。』




電話をピッと切り、私は部屋を後にした。




相変わらずの天気だけど、イザナくんと過ごせばいい日になりそう…




なんて考えていたんだ。





＿＿＿＿＿
今回は提案を頂いて書かせてもらったお話です(*'ω'*)楽しかった…！
あと、最近色々と忙しすぎてあまり更新できていませんでした…
もう少しすれば投稿ペースが復活するのでどうかお待ちください(;´Д｀)
byゆあめ

・→←作者から・

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す