私が君を愛すから ２【黒川イザナ】

久しぶり・ ページ23

『前よりもアトラクションの数が増えてる！』




久しぶりに来た遊園地。向こうの海から吹き抜ける潮風が気持ちいい。




「どのアトラクションに乗る？」




『そうだなぁ、コーヒーカップとかどう？』




「確かに楽しそうだしそうするか」




コーヒーカップ乗り場へと向かう。家族連れが多くて賑やかだ。




「次はジェットコースターだな」




『それは嫌！』









そうイザナくんと笑いあっていると、彼は急に目を見開いた。




『…どうしたの？』




「知り合いを見つけたんだ」




『…行ってきたら？』




一緒に居たい…けど、知り合いに会ったら声掛けたくなるよね。









コーヒーカップは終わって、知り合いの方へ向かう。




「あ、見つけた」




そうイザナくんが行った先には、三つ編みの人がいた。




『…女の子？』




私が行ったら修羅場になってしまうのではないかと、彼の蔭に隠れた。




そのうち向こうもこっちに気づく。




「お、イザナじゃん！久しぶりー。神奈川まで遠出して正解だった〜！」




でも、声は男の人だ…どういうことだろう？




「久しぶり、蘭。竜胆は家でお留守番か？」




「竜胆ならアイス買いに行ったよ」




イザナくんに蘭と呼ばれた人は、私の顔を覗き込んだ。




「Aちゃんだよね？年少にいたとき、よくイザナから話聞いてたよ！
可愛くて小さくて…で、将来結婚するんだっけ」




「それ以上喋ったら殺す」




『え、そういう風に言ってくれてたの？』




「酷い時なんかさ、俺らの口からAちゃんって出るだけで妬いてきたもんな」




『…ホント？』




「昔の事だから！」




すると、アイスを持ってきた人が駆け寄ってきた。




「みんなでアイス食べね？」



・・・・・・・・・・・・・
三つ編みで兄の方が灰谷蘭くんで、アイスを持ってきた弟の方が灰谷竜胆くんだそうだ。




どうやらイザナくんと少年院で出会ったらしく、他にも何人かそういう人がいるらしい。




話も面白いので、私は二人と沢山喋ってしまっていた(・・・・・・)




「俺以外の男と馴れ馴れしくすんじゃねぇよ」




その一言は、誰にも気づかれることが無かった…

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