私が君を愛すから ２【黒川イザナ】

お泊まり会・ ページ20

『前に来たことあるけど、ここが我が家です！』




「来るたびに思うけどすげーおしゃれだよな、Aの家って」




『ありがとう！…あ、でも私の部屋は散らかってるから閲覧注意かも…』




木下くんの事もあって、親が出張なのでイザナくんに泊まりに来てもらうことになった。




昔から一緒だから“ドキドキする”って感情は無いものかと思ったけど…




やっぱりちょっと緊張する。




『そういえばどこで寝る？来客用の布団とか無いんだよね…』




「リビングの床ででも寝るから、Aはベッド使っていーよ」




『分かった。ソファあるからそれ使って』












さて、夕食を作りますか！




とは言っても、昨日の残りの肉じゃがを温めるだけだけど…




「肉じゃがかぁ、小さい頃母さんが作ってくれたのが美味しかった。
別にシセツの料理に不満があるわけじゃないんだけど」




『そっか、前に妹さんもいるって言ってたよね？真一郎さんみたいに会ったりしてるの？』




「エマ＿＿＿＿あ、妹の名前。
今まで生きてきてエマが俺のシセツに来たことはないし、訪ねて来てくれたことも無い。




…真一郎だけが、空っぽな俺を埋めてくれたんだ」




そうなんだ、妹のエマさんはイザナくんを訪ねてきてないんだ。




『イザナくんよりも年齢は低いんでしょ？だから、待ってたら絶対来ると思うよ！』




「だといいけどな…肉じゃがから暗い話になった」




『あ、ごめん！もう温め終わったよ！』




確かに家族だから心配になっちゃうよね。




でも、私はずっと彼に寄り添ってあげたい…なんて少し大袈裟すぎかな。

・→←・

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す