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「なぁ…雨宮。俺たち、付き合って三週間経っただろ?だから、いいよな?」
「勉強会」という名目で木下くんの家へと行ったはいいものの、何事もなく帰れるわけがなかった。
ベッドへと押し倒され、汗ばんだ手が私の太ももをなぞる。
『やめて、木下くんのことなんかっ…』
そう言いかけたとき、玄関から物音がした。彼の家族が帰ってきたのだろう。
「…今日は最後まで出来なかったけどさ、次は唇も処女も奪うから」
_____
どうしよう、このままじゃ私…
「大人しくしてろよ」
あの時と同じ引きつった笑顔。
でも、ここで何もしなかったら駄目だ。
『やめて!離して!』
必死に抵抗する。もしかしたら声を聞いて助けに来てくれるかもしれない。
「うるさい、お前は俺のもんだ!」
いきなり私に暴れられて、木下くんは体勢を崩した。
その時_____
「何Aに手ぇ出してんの?」
聞きなれた声。
『…イザナくん!』
「教室探してもいなかったかと思えば…。そいつに何されそうになってたんだ?」
『えっと』
私は事情を話そうとした。
「関係ないだろうが!てか誰だよ?」
「俺は黒川イザナ。あと、Aは俺の女だ」
「雨宮、こいつの彼女辞めて、いつでも戻ってきてもいいから」
イザナくんの登場によって、木下くんは怯えているのか声が弱々しくなっている。
『私はイザナくんの彼女辞めない…。もちろん、戻るつもりだって』
前のように曖昧な関係になるのは嫌だ。
私だけじゃなくて、木下くんの為にも。
「今別れないと、腕を折るからな!!」
もう一度手を握る。
「お前こそAから手を離さないと、俺が足の骨折るから」
イザナくんが無表情で近づいてきた。
木下くんは、さらに怯えたような顔をして
「嘘に決まってんだろ!」
と一言を残しその場を離れた。
______
「A、大丈夫?」
『心配かけてごめん…グスッ…私が曖昧にしてたから』
「お前は何にも悪くねぇよ。これ、さっき買ってきたカフェオレ」
『うん…ありがとう』
しゃくりあげながら飲んだカフェオレは、少ししょっぱくて涙の味がした。
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ゆあめ(プロフ) - 昼夜逆転マンさん» ありがとうございます!楽しみにして下さるなんて嬉しいです(*‘ω‘ *)他のお話も時間があるときに更新していこうと思ってますので、是非よろしくお願いします!続編も近々上げる予定ですので、これからも頑張って続けます…! (2022年9月3日 22時) (レス) id: ab55678354 (このIDを非表示/違反報告)
昼夜逆転マン - すいません。見るの遅くなりました!凄く良かったです!ずっと続きを楽しみにしていたので見れてうれしいです!本当に大好きです!ほかのお話も見させていただきます!これからも頑張ってください! (2022年9月3日 14時) (レス) @page48 id: b028cbeeeb (このIDを非表示/違反報告)
ゆあめ(プロフ) - 昼夜逆転マン3さん» コメントありがとうございます!好きーーーーーーのお言葉嬉しいです(*ノωノ)あともう少しで続編作りますのでお楽しみに!頑張ります…! (2022年8月27日 11時) (レス) @page46 id: ab55678354 (このIDを非表示/違反報告)
昼夜逆転マン3 - ちょっと、急ぎの用事があって時間がないので、感想を短くまとめます。 すきーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!! これからも頑張ってください! (2022年8月26日 23時) (レス) @page46 id: c03225e7d0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆあめ(プロフ) - 昼夜逆転マン3さん» コメントありがとうございます!確かに依存してますね…。実はもうオチは決めているのですが、パート3を作らなければ完結できそうにありません(^-^;更新頑張ります! (2022年8月21日 14時) (レス) @page44 id: ab55678354 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆあめ | 作成日時:2022年4月27日 21時