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ピンポン、と海斗の家のインターホンを鳴らす。パタパタと小さな足音がして、海斗のお母さんがドアから顔を出した。
「いらっしゃい……あら、」
閑「あ、すいません。今日、ちょっと得意先に寄ってから来ちゃって。」
「そう…。閑也くんのスーツ姿見たら、海斗も大喜びね。」
海斗によく似た目を優しく細めると、海斗のお母さんは慣れた手つきで来客用のスリッパを出してくれた。お邪魔します、と挨拶をしながら家の中に上がらせてもらう。
ほぼ毎週、日曜になると俺はこうして海斗の家に遊びに行く。遊びに行くとは言っても、海斗と俺がすることと言えばただの他愛もないおしゃべりくらい。でも、平日は仕事に追われてばかりの俺にとって、これが最高の癒しの時間だ。
閑「海斗、来たよー。」
部屋のドアを開けてひょっこり顔をのぞかせると、海斗が嬉しそうに両腕をパタパタ振る。
閑「今日はね、スーツ着てきちゃった。俺がいつも仕事の時にする格好。」
宮「っすー、っ、っくいい!」
海斗の白い頬に、ポッと赤みがさす。かっこいい、なんて普段言われることもないから、俺はなんだか照れくさくなってしまった。
閑「ちょ、そんな見なくていいって(笑)。」
しばらくすれば飽きるだろうと思っていたのに、海斗はなかなか俺から視線を外さない。そわそわした動きも止まらないし、だんだん不安になってきて俺は思わず海斗の手を取った。
閑「海斗、どうした?何かあった?」
宮「んー、」
長年見てきたからわかる。今の海斗の顔は、ためらいの表情。
しばらく待っていると、海斗は2回まばたきをしてビクッと肩を震わせた。
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おさと(プロフ) - る - るさん» る-る様、リクエストありがとうございます!またリクエストいただけたこと、いつもお読みいただけていること、本当に嬉しいです😭長くお待たせしてしまうかもしれませんが、しっかり書かせていただきます、! (2022年8月27日 17時) (レス) id: ede36f8a86 (このIDを非表示/違反報告)
おさと(プロフ) - そらさん» そら様、コメントありがとうございます!またリクエストをいただけるなんて、本当に嬉しいです😭続編、書かせていただけるのが今から楽しみです!またまたお待たせしてしまいますが、気長にお待ちいただけますと幸いに存じます! (2022年8月27日 17時) (レス) id: ede36f8a86 (このIDを非表示/違反報告)
る - る(プロフ) - いつも本当に楽しく読ませて頂いています; ; リクエストなのですが、リアル設定で松倉くんが仕事に疲れ塞ぎ込んでしまっていってしまい段々と仕事にも来なくなりそこで全メンバーが松倉君を助けるお話が読みたいです。分かりにくくて申し訳ないです.... (2022年8月27日 13時) (レス) id: 6d6ceb074c (このIDを非表示/違反報告)
そら - →病気は悪くなるばかり。弱っていく青を見て桃は自信をなくす。そんな姿を見て白も昔を思い出し、桃だからできることがあると励ます。 (2022年8月25日 20時) (レス) id: e020254286 (このIDを非表示/違反報告)
そら - たくさんリクエストある中恐縮ですが、またまたリクエストさせていただいてもよろしいですか。「夢のかたち」の続編で、研修医の桃さんが大きな病気と闘う青の担当に。頑張る青の姿を子どもの頃の自分と重ねてなんとか治してあげたいと奮闘するけど→ (2022年8月25日 20時) (レス) id: e020254286 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おさと | 作成日時:2022年8月10日 19時