付喪神が見えない審神者【刀剣乱舞】

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『…それで、あの、鍛刀というのは具体的にどうすれば良いのでしょうか…？』




鍛刀部屋というものに案内していただいた。


大きな釜？と、浅い木でできたこれもまた大きな桶？があるのみの質素で小さな部屋だった。


小さな、と言っても昨日の私が住んでいたマンションのリビング並の広さだ。

この家、本丸というのか。
その中では小さいというのが実情だ。





山姥切「そうだな、まず、資材庫から3種類の資材を主の好きな数だけ出すといい」




そう言って山姥切さんの刀は、
黒いパネルが縦に3つ埋め込まれた壁に向けられ。

それぞれのパネルの左隣には上から順に
木炭、玉鋼、砥石と書かれている。

そしてパネルの右側には、それぞれ引き出しのようになっているような把手がついている。


山姥切「そこに数字を指で書くんだ。大抵は50以上の数字を書く」


『は、はい…』



前の世界でいうスマホのようにタッチパネル式のようだ。

木炭 50 玉鋼 50 砥石 50

とりあえず、言われた最低値を書いてみる。


上限がわからない今は安牌な選択だと思う。


カシャンと軽い音がして、右側の引き出しが少しだけ開く。
把手を持って引っ張る。
するとそこには、資材がコロコロと入っていた。


50といってもそこまで多い量じゃないんだな。

などと思いつつ、これをどうすれば良いか分からない私は、後ろを振り返って、山姥切さんに尋ねようとした。




山姥切「〜〜、〜〜〜〜」




…何かを語りかけている…！

何かと話しているらしい山姥切さん。
刀しか見えないが、おそらく下方を向いている。

段差があって、下に何がいるかは見えないが、そんなに小さな人間はいないだろう。
神様だから、そういうこともあるのだろうか…。




『…あの、山姥切さん？』



恐る恐る名前を呼ぶと、

山姥切「ああ、資材の数は決まったか」


何事もなかったかのように私を見て返事をしてくださった。




…そして、そんな山姥切さんが語りかけていた場所から、ひょっこりと顔を出したのは、



『ぬ、ぬいぐるみ？』


《あなたがあたらしいさにわさまですね！こんにちは！わたくし、たんとうのせいれいです！》



しゃ、喋った…。




《ほんじつははつのたんとうおめでとうございます！しざいは50ずつをごしょもうですね！りょうかいいたしました！》


私に近づいてきたかと思うと、その《たんとうのせいれい》さんは引き出しに飛び乗り、
資材を１つずつ、うんせうんせと運び出した。

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