涼風譚 拾参

ナンパと夫 ページ12

『だから旦那さん待ってるんですよ〜！』

モ「いや、お姉さんの嘘でしょ〜？だってお姉さんまだ若いじゃんw」

『もう46になるんですよねぇ〜』

モ「いやいや！まだ25ぐらいでしょ！」

『指輪見えません〜？』

モ「あ、男避けでしょ！いいじゃん、行こうよ！」

どう返しても連れていこうとする迷惑男。

「A！待った！？」

『浩二さん！』

迷惑男に持たれていた腕を振りほどき夫に駆け寄る。

「ごめんね、仕事長引いた...誰？」

『わかんないです...』

モ「その男だれなの〜？」

「旦那ですけど、どちら様でしょう？」

モ「旦那！？だってまだ若い...」

「僕の奥さんを若く見てくれてありがとうございます♪でも僕ら結婚して16年経つの。だから僕のに手出しちゃダメだよ。」

私を抱き寄せながら楽しそうに言う旦那様。

モ「す、すいませんでした！」

そう言い去っていく迷惑男。

「全く、Aも！可愛いんだからああいうの引き寄せちゃうでしょ！？気をつけて！」

『う...だって大丈夫だと「そう言って今声掛けられてた」でも浩二さんが来てくれたじゃないですか！』

「僕が来なかったら？」

『絶対浩二さんは来てくれますもん！』

「なんで？」

『王子様はいつもいいタイミングで現れるじゃないですか、ね？』

「Aはほんとずるいよねえ」

『なんでですか〜！』

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