検索窓
今日:17 hit、昨日:46 hit、合計:45,557 hit

制御不能 ページ32

※続けてやばいです。



ああ、止められなかった。。

血まみれの左腕を唖然と見つめる。

くそっ、くそっ…。

後悔しても、時間は優しくない。

カッターを床に取り落とし、自分もその場に崩れ落ちる。





やってしまった。





盛大に。





痛みなんか感じない。

もう嫌だ。

こんな自分が嫌いだ。





大っ嫌いだ…。









「うーむ、遅かったか」




真後ろから、声がした。



『…しろ、な』


私の怨霊、白納だった。


「嫌な予感がして来てみたんじゃが、手遅れだったようじゃのう」

困ったような仕草をし、私の腕をじっと見る白納は、やがて私の横にしゃがみこみ、背中をぽんぽんと優しく叩いた。

「何があったんじゃ?
話せるかの?」

『…白納…』

言葉が喉につっかえて出て来ない。

「無理に言わんでもいいんじゃよ。
私はお主に憑依する怨霊じゃ。
言いたいことはなんとなく分かる」

そう言ってくれる白納には、感謝しかなかった。

『……止められなかった…』

なんとか一言絞り出す。

横で頷く白納は、「そうか…」とだけ応え、後は何も言わなかった。

私には、それが嬉しく思えた。

「大丈夫?」「ダメだよ」なんて言葉はもういらない。

傍にいてくれるだけで心が和らぐから。

白納が私の腕を取り、ふかふかの白いタオルで包む。

「私がいるからの」

そう言って、ニコッと笑った。




尖った気持ちがまんまるく削られていく。



『…そのタオルどっから持ってきたんだよ…』

思わず笑って言った。


「怨霊じゃからの。
何でもできるぞい?」

『…ッ、なんだよそれ…。
ははっ…』

おどけたように応える白納が、私は大好きだ。

心優しい怨霊→←自虐



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.0/10 (33 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
28人がお気に入り
設定タグ:妖怪学園Y , 妖怪ウォッチ , 寺刃ジンペイ   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

桜夜 - 饅頭さん» またジンエマダメな人いてくれた…!!じんぺが好きすぎる私がおかしいのかと思った…ww (2020年2月13日 8時) (レス) id: e216db5bf3 (このIDを非表示/違反報告)
饅頭(プロフ) - ジンエマ地雷持ちだったから大丈夫かと思っていたら… 意外と大丈夫でした(^p^) でもやっぱりジンエマはダメでした (^p^) (2020年2月12日 18時) (レス) id: bb1145914b (このIDを非表示/違反報告)
彼雨(プロフ) - なんと!?残念… (2020年2月2日 18時) (レス) id: 1d3d5b016f (このIDを非表示/違反報告)
桜夜 - 彼雨さん» 残念ながらまだ五話は上がっておりません…(泣) (2020年2月2日 18時) (レス) id: e216db5bf3 (このIDを非表示/違反報告)
彼雨(プロフ) - YouTubeなら多分見れると思います (2020年2月2日 13時) (レス) id: 1d3d5b016f (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:桜夜 | 作成日時:2020年1月27日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。