赤い星 妖怪学園Y 〜N遭〜

新HERO誕生 ページ28

No side


元に戻った古時計の怨霊に話しかけたのは、ひでおさん夫婦の息子のセイイチだった。

余命宣告を受け、家に戻れないと悟ったひでおさんは、時計を学校に寄付すると決めた。

しかし、あまりにも気に入っていたため、別れの言葉が言えなかったのだ。

そして、家族に、時計へ向けての伝言を頼んだ。


「わしと一緒にいてくれてありがとう。
お前はわしの大事な家族だ」






「ううっ…ひでおさん！
ひでおさん…！！」

泣く古時計に、フブキが告げる。

「別れは辛いけど、あなたがすべきことは、しっかり前を向いて時を刻んでいくこと。
そうでしょ？」



「…みんな…ありがとう…
ありがとう…！」

古時計の体が青白く光り、手足の生えた小さくてレトロな時計に変わった。

「ドウモー、ブロッケンクロックです♪」

そしてなぜかみんなの元に歩いてくる園等先生。

「おめでとうフブキさん。
あなたもついにYSP能力を開花させたようね」

そしてフブキにYSPウォッチを手渡した。

フブキがブロッケンクロックにウォッチを近づけると、吸収された後四枚のメダルが落ちてくる。

「これからはあなたにも戦って貰うわ。
妖怪HERO クロックレディーとして」

「新ヒーローｷﾀ━(ﾟ∀ﾟ)━!」

「これからよろしくな！
ブロッコリーコロッケ！！」

「ブロッケンクロックです！！」






こうして、二つ目の学園七不思議、〖呪われた古時計〗は解決したのである。

急げ→←すれ違い

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す