13話 ページ16
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｢ただいまー。｣
家に着く頃には智くんの機嫌も直って、今日あったことをぽつぽつと話してくれてる。智くんの話聞いてると、ほんとにお友達のこと好きなんだなーって思う。
智くんはかなり人望厚いからね。これ、結構自慢なんだよ。いいお兄さん持ったね、なんてよく言われるから。
｢何ニヤニヤしてんだ？｣
｢ふふふっ、何でもない。｣
二人揃ってリビングに入る。
…と、隅っこで縮こまってるちびっ子3人組。中心にいるまさきは…泣いてる？
｢ちょ、ちょっと。まさきどうした？｣
｢俺知ってる。まーくん酷いこと言われたの！｣
｢まさにい、すごく辛かったみたい…。｣
まさきに抱き着いて、必死に説明するかずとじゅん。酷いこと？意地悪されてんのか？それはちゃんと事情聞かねえと…。
まだまだちっちゃいまさきの体を抱き上げたら、ぎゅ、と服の裾を掴まれた。
｢俺は、かわいそうなんかじゃないよね…？｣
｢え？｣
｢家族の誰とも血繋がってないただの寄せ集めだろ、かわいそうって言われた…。俺、かわいそう…？｣
…そうだ、俺達は血が繋がってない。その事実は、まだ小さい子らにとってはかなり奇妙で、不思議に思う事だ。小さい頃に俺も感じたからわかる。
でも、違う。血が繋がってようが繋がってなかろうが、俺達は幸せなんだ。そう思ってずっと生活してきたんだ。
｢まさき、まさきは今楽しい？｣
｢うん…毎日楽しい…。｣
｢じゃあ、可哀相でも何でもなくねえ？他の人と何ら変わんねえよ。｣
｢…うん、そうだよね。俺、すげー幸せだもん！｣
泣きはらしながらも見せてくれた笑顔に安堵する。
もっと、家族としての形を作り上げないと。こいつらが本当の家族だって胸を張って言えるような家族にしなくちゃいけない。
それが俺のすべきことだ。きっと、そうなんだ。
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作者名：おうす | 作成日時：2017年6月7日 20時
