キモチ (ページ26)

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A Side

『A～お昼学食？』

「うん、今日から揚げ食べたい」

学生最後の短い夏休みが終わり
学校が始まった

年明けにある国家試験のために
学校内もちょっとぴりついている

「Aさん～
これ次の教室に持ってってもらってもいい？
プリントだけだから重くないからさ～」

声をかけてきたのは私たちの担任。
20代後半で学校の中じゃ若い方の
ノリのいい男の先生

「日直だからよろしくな～」

ぽんってわたしの肩を叩いて歩いていった

そう、わたしの学校はめんどくさいことに
日直なんてものがある

『あ、A今日日直か、俺も運ぶよ』

「ありがと。けど軽いし、いいよ、
あらん、先に学食いって席とっといて？」

わかったよ～ってちょっと拗ねながら
あらんは学食に向かった

プリントも1クラス分しかないし、
教室すぐだし
早く持ってってわたしも学食行こ。

ガラッ

少し古めの部屋の扉を開け、
教卓にプリントを置こうとした

「…え？」

教室の中にいた、1人の男の子と目が合う

「…Aちゃん？」