TOP4に溺れていく。

愛を知らないまま(uszw.gcmn) ページ49

※uszwとgcmnが暴走してます。

-牛沢-
いない。いない。どこにもいない。見当たらない！俺のA！

｢かっ、ひゅっ、ひゅっ、ふっ、｣
過呼吸になりかけながら、彼女を繋いでいた鎖を手に取る。
この部屋に閉じ込めておいたのに。

あの子がいないと俺はっ…

-ガッチマン-
｢もう大丈夫だよ、今日から俺の家に住みなね？｣
『…誰?』
俺の家のカーペットで座り込んでいる彼女は相当痩せていて、ところどころ紫色の痣がある。
手足の、鎖の後も。
｢…ガッチさんとでも呼んでおいてよ。君、あの男に捕まってた、そうだよね？｣
『知らない。』
全てに興味無さそうな態度を示すこの子はあの男に閉じ込められていた、ずっと今まで。
｢どうして俺が君を連れ出せたか聞かないの？｣
『…どうでもいい。』
本当に自分のことなんてどうでも良さそうだ。
｢…逃げられて嬉しいのかな？俺良かったことできたかな？｣
『…』
嬉しくもないし、悲しくもない。そう言っているような目をして、彼女は床を見つめている。

｢まぁそりゃそうだよね。だって君、｣

｢いつでも逃げられたもんね。｣

彼女が驚いた顔をしてこちらを見あげた。

過去に彼女を外で見かけたことがある。
本当に偶然の話だ。
痣だらけで服も髪も乱れている。
1人だった。

痣でそうされていたことはすぐにわかった。
どうにかして逃げれたのだろう。
しかし主が帰ってきたのか、黒い車を見るとすぐに家に入ってしまった。
気になって日々観察する。
度々抜け出している。
主が家を留守にしている時だけ外出が許可されているなんてことはないだろうし、彼女は逃げることができる。でも逃げない。
人目が少ない時間に少し外出し、付近をうろついて、また帰る。その繰り返し。
その真意を探りたくて、俺はいわゆるストーカーをやっていた。
気づけばそんな彼女が愛おしかった。

｢どうやったの？｣
『…あの人、管理が雑だから。』
痩せていけば抜けられたのか、どこか鎖が壊れていたのか、大人しく捕まっているフリということか。

『…あの人、私がいないとダメだから。帰る。初めて私を愛してくれた。どんな形でも、幸せなの。』

あぁ愚か。愛を知らないまま生きてきた結果がこれか。彼女はあの男以外を受け入れようとしなかった。
止める間もなく、大人しく、帰っていった。

-牛沢-
Aが帰ってきた。
逃げた罰と、いつもの教えを行って、またいつものように、
｢愛してるよ、A｣
『…』
Aで、俺を満たす。

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