TOP4に溺れていく。

奪い愛(ガッチマンend) ページ39

-A-
どうやら私は、見守ることを辞めたと言っていたガッチさんが好きみたいだ。
いつも冷静で周りを支えていて、そして、真剣に私への想いを伝えてくれた彼のことが、好き。

さっきまで電話をしていた彼に、明日ご飯に行きませんかとLINEを入れてみた。
いいよ〜と楽観的な対応が返ってきた。
大人の余裕に負けそうになりながらも、具体的な予定を決め、その時を待ち、眠りについた。

翌日の夜、美味しいと評判のレストランに行った。
美味しそうな、でも豪華な香りが辺りに漂っている。
｢じゃ、座ろうか｣
優しく紳士的な笑みを向ける彼からは、どうしても大人の色気を感じてしまう。
この人は私のことが好きで、私はこの人のことが好きなんだなと自覚すると、頬が赤くなった。バレないかが心配だったが、案の定だった。
｢大丈夫?具合悪いでしょ、顔赤いよ？｣
『なんでもないよ!』
｢…なんか、緊張してる？｣
動揺する私に大人の笑みがまた飛ばされた。
『だ、大丈夫…』
その時料理が運ばれてきて話題が変わり、たわいもない実況の話をした。
一旦会話が終わると、彼から緊張を促す言葉が発された。
｢…でさ、こんな事言うのもあれなんだけど、｣
ドキドキと心臓が高鳴る。
あなたが好きだという要件が言えずじまいじゃ、今日約束した意味もないじゃないかと自分を咎めながら彼の言葉を待った。

｢…この食事会もさ、昨日の今日なのに、Aちゃん、気まずくないのかなとか思ったりもしたけど、…その、｣
彼は真っ直ぐに私を見つめる。

｢期待しても、いいのかな？｣

一方私はなんといえばいいのか分からなくて目が泳いでいたのだろうな。
やはり彼は一枚上手だった。
じゃあ、それに答えるまでだ。

『…いいよ』
精一杯の3文字を口にした途端、ガッチさんは頬を赤らめて、いつもの大人な余裕を失った瞬間が垣間見えた。

その瞬間、私の口はスラスラと言葉を流していく。
『私、ガッチさんのことが好き。って、やっと気づいた。告白されてから気づくなんて。でもどうしても伝えたかった。』
｢…あー、嬉しすぎる…ありがとうAちゃん｣
『ううん、私こそありがとう』
｢直接言えてなかったね、Aちゃんのことを愛してる。俺と、真剣にお付き合いしてくれないかな？｣
『…はい、お願いします。』
｢…今めっちゃ抱きしめたいのに、場所的にまずいのどうにかして欲しい、なんてね。｣
ドキドキ心臓がうるさかったけれど、幸せだった。

大人な彼と想いを寄せた夜。

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