奪い愛(キヨend) ページ36
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私が、好きなのは、1番最初に告白してくれたキヨくんだ。
キヨくんは、私のことを真っ直ぐに思っていてくれている。
今思えば、たくさんの親切を、キヨくんから受け取ってきたことを思い出す。
その度に彼を愛しいと感じるようになっていたと気づく。
それに気づいたからには答えなくちゃいけない。
次の日、私はキヨくんに話があるとLINEで伝え、キヨくんの家へ行くことになった。
インターホンを押す手が震えているのがわかった。
ピンポーンと、脳天気な音が響く。
ドアがゆっくりと開けられた。
「あがって。」
元気の無い顔をしたキヨくんが現れた。
『うん。』
キヨくんは心做しか表情が暗い気がする。
ソファに座るよう促され、ふかふかのソファに座る。
キヨくんはカーペットに座って、机に寄りかかりながら私を見上げる。
「それで、要件は?はは、もしかしてごめんなさいとか」
『違うよ』
悲しそうな表情を浮かべるキヨくんの言葉をすかさず遮る。
『返事をしに来たの。告白のね。それはあってる。』
キヨくんは大きく目を見開いて私を見る。
私は心臓がうるさくて、今にも倒れそうだった。
「違うって、まさか…」
大きく深呼吸して、その場で立ち上がり、キヨくんの目を見て言う。
今だ。
『私も、キヨくんのことが好き。これが答え。』
心臓が破裂しそうにうるさかったけれど、伝えた達成感の胸の高鳴りの方が大きくて、目の前にいる好きな人が、徐々に口角をあげていくのを見た。
「じゃあ、りょ、両思い???」
『うん。両思い。』
突然キヨくんがうなだれた。
「はぁ…っダメかと思ってた…あぁ、やばい、嬉しい…っ」
頭を抱え込み心からの歓喜を口にする彼。
かと思えばすかさず立ち上がり、私をぎゅっと抱きしめた。
突然の事で体が硬直してしまう。
キヨくんの心臓の音が聞こえる。ドキドキしてる。
想いは同じなんだと再確認し、私も、ゆっくりとキヨくんを抱きしめる。
キヨくんの顔を見上げて言う。
見たことがないほど笑顔で、頬が
少し赤らんでいて可愛い。
『待たせてごめんね。』
「遅せぇよ、バカ笑」
キヨくんは涙ぐみながら、笑顔で私の頭を撫でた。
「俺と、付き合ってください。」
笑顔な彼の頬を伝う一筋の涙は、今まで見た何よりも綺麗だった。
『はい、お願いします。』
そんな彼は、私を選んでくれたようです。
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しるべ(プロフ) - パスタ好きのさらさんさん» ありがとうございました!そこまで愛される作品が出来て良かったです。また機会があればチャレンジしてみたいと思います! (2020年2月25日 19時) (レス) id: a8141104b5 (このIDを非表示/違反報告)
パスタ好きのさらさん(プロフ) - 完結お疲れ様でした!この作品本当に好きで、私普段は長編しか読まない派なんですが短編もいいなと思い始めました!最後のTOP4のヤンデレも本当にご馳走様です(しかもいいペア同士で…泣)今度はまた何か、TOP4+最俺なんかでストーリー作ってみては?楽しみにしてます! (2020年2月25日 19時) (レス) id: b898e8ff1d (このIDを非表示/違反報告)
しるべ(プロフ) - パスタ好きのさらさんさん» いやもうそこまで喜んでもらえるなんて嬉しすぎます(泣)書いてて胸が痛かったんですけどこういうのも好きです…。リクエストありがとうございました! (2020年2月10日 19時) (レス) id: a8141104b5 (このIDを非表示/違反報告)
パスタ好きのさらさん(プロフ) - めちゃくちゃ希望通りの作品が……!!凄く嬉しいです笑笑レトさん闇堕ち可哀想だけどちょっとヤンデレトルトなのも良い…!えr沢さんもご馳走様でした!! (2020年2月10日 17時) (レス) id: b898e8ff1d (このIDを非表示/違反報告)
しるべ(プロフ) - パスタ好きのさらさんさん» 感想と、いいアイデアありがとうございます!そっち系書いたこと無いですが機会があればチャレンジしてみようと思います笑これから応援よろしくお願いします!! (2020年2月5日 6時) (レス) id: a8141104b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しるべ | 作成日時:2019年12月30日 10時