TOP4に溺れていく。

奪い愛(全員) ページ34

-A-
『う、うっしー!?』
ドアスコープを覗いてみると、うっしーが、思い詰めたような表情で玄関前に立っていた。
何事かと思い、急いで玄関を開けた。

『どうしたのこんなじかっ』
突然、夜の冷たさを孕んだ風と共に玄関にすかさず入ってきたうっしーに抱きしめられた。

あまりの勢いで、後ろに倒れそうになる私の腰あたりを、うっしーは左腕で支え、右腕は肩に回され抱きしめられている。

｢好きだ。｣
『え!?』
｢好きだ、好きだ、好きなんだよ…俺、Aのことが好きでたまらねぇ…っ｣

初めての呼び捨てと、心からの想いに、心臓がドキドキとうるさい。

｢やっぱ、誰にも渡せねぇ…っ俺のものにしてぇっ……｣

少しだけ、すすり泣くような声に聞こえた。

『う、うっしー…』
うっしーまでも私のことを好きでいてくれていることに驚いたまま、うっしーを家の中に促した。
『とりあえず、あがろ?』

うっしーはどうやら、他の3人に私が取られそうで、いてもたってもいられなくなったらしい。

｢電話も通話中で繋がんねぇし、どうせガッチさんとかだったんだろうけど…もう…俺は、遠くから眺めるのはやめにしたんだ…｣
うっしーはソファに座り、俯いてそう言う。

『…ありがとう、』

泣いているのかと思い、私は隣に座るうっしーの顔を覗こうとする。

｢見んじゃねぇ…恥ずかしい…｣
うっしーは手の甲で目を隠し、顔を逸らした。

僅かながらに耳を赤くしたうっしーが、可愛らしいと思った。

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