今、君が隣にいるということ

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どうしよう、どうしよう…、



周りの共演者やスタッフの皆さんが、俺のことを心配している。



「大丈夫かな？」 「調子悪そう…。」

「歌えそう？」 「歌えるのかな？」






「まあ、でも、最悪音源流して口パクでもすれば…、」






誰かが呟きたその一言に、ドキッとした。







口パク…？







NEWSは今まで生歌にこだわってきた。



例えそれがどんな状況であれ、音源を用いることは避けてきた。



だから、そんな発想なかった。



生には生でしか届けられないものがある。




そう信じて疑ってこなかった。







でも、








でも、こんなものを披露するくらいだったら…。






ぎゅっと目を瞑り、下を向くと、







バシンッ！！







「〜っ、って！！」




揺らぎかけた俺の背中を、誰かが思いっきり叩いた。






ゆっくり振り向くと、そこにいたのは







手越だった。







「すみません、後はこっちでなんとかするんで、このまま他の方のリハーサル進めてください。」


真っ直ぐ前だけを向いて、明るく周りに呼びかける。



「大丈夫？」なんていう周りからの声に、

「大丈夫です、大丈夫！」と明るく答える。





何が大丈夫だよ…。



全然大丈夫なんかじゃない…。



声が出ないんだぞ…。



悔しくて悔しくてたまらない。



また下を俯く。








そんな俺の心情を察してか、




叩いた手はそのままに、




その手が最後まで背中から離れることはなかった。








何故だか、その手の温かさに、






無性に涙が溢れそうになった。



…

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