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『ごめんね、もう一緒に歌うことができないや』
「…っ、」
ああ、
分かっていたことだった。
こうなることは。
でも、それでも俺は受け入れたくなかったんだ。
いや、受け入れられなかったんだ。
まっすーが走らせるペンは止まらない。
『本当は、1番初めに伝えないといけないのは手越だって分かってた。』
『でも、1番伝えるのが怖かったのも、手越だった。』
『ごめんね。』
まっすーは下手くそな笑みで笑う。
「…なんで、笑ってんの…。」
自分から出た声は思いのほか低くて、まっすーの動きもピタッと止まる。
「なんで、なんで笑ってんの！？まっすーは…！まっすーは、声が出なくても平気なの！？」
「……っ、」
「もう一緒に歌えないんだよ！？もう、隣に立てないかもしれないんだよ！？それでも、それでもまっすーは、大丈夫だっていうの！？」
完全なる八つ当たりだった。
一緒に歌えないことに、
隣に立てないことに、
何よりもショックを受けているのは自分自身だった。
そして、
その気持ちを自分だけが抱いているかもしれないということに、
声が出ないことをまっすーは既に受け入れているかもしれないということに、
何故だが無性にイライラした。
そんな勝手な感情をぶつけられているのだから怒ればいいのに、
まっすーは眉を下げて、筆をとる。
『ごめん、ごめんね、ごめん、』
ごめん。
「……っ！」
壊れたおもちゃのように繰り返し謝罪の言葉を書くその姿に耐えられなくなって、
俺は堪らず病室を飛び出した。
…
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さく(プロフ) - はさみのりさん» これからも応援してます！素敵なお話ありがとうございました。 (2018年8月1日 1時) (
レス) id: f81c7981b1 (このIDを非表示/違反報告)
きみえ(プロフ) - はさみのりさん» これからも素晴らしいお話待ってます！ (2018年7月29日 17時) (レス) id: 07ca606d01 (このIDを非表示/違反報告)
はさみのり(プロフ) - さくさん» 返信がおそくなってしまい、すみません(><) とても嬉しいお言葉ありがとうございます！これからもどうぞよろしくお願い致します。 (2018年7月29日 6時) (レス) id: 7684741bb3 (このIDを非表示/違反報告)
はさみのり(プロフ) - きみえさん» 返信が遅くなってしまい、すみません(><) はじめてだなんて光栄です…！こちらこそご覧いただきありがとうございました！ (2018年7月29日 6時) (レス) id: 7684741bb3 (このIDを非表示/違反報告)
さく(プロフ) - こんなに泣いたのは数年ぶりくらいというくらい、とにかく涙が溢れました。本当に感動しました！大好きなテゴマスの歌、声についてという重めな話題なのに、最後は幸せな気分になれました。素敵なお話をありがとうございました。 (2018年7月21日 9時) (レス) id: b4952ba7f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はさみのり | 作成日時：2018年6月5日 14時
