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【NOside】
任務を終えたAは夜の21時過ぎに高専に着いた。
帰宅が遅くなったのは野々宮が外食を誘ってくれたので二人で夕食を共にしたからだ。
元気がないAを気遣ってくれているのだろう。
明日には五条が帰ってくる。
何事もなかったように振る舞わなければ。
寮へ向かいながら、頭の中ではあの日のことばかり考えてしまう。
───君以外の高専の連中に私の姿を見られるわけにはいかない
本物の夏油傑の身体だったとしても彼からは別の“声”が聞こえていた。
何か企んでいるのは間違いないが、やはり夏油傑本人ではない。
本来なら上に報告し、捜索や対策をすることが正しい道なのだが、死んだはずの人間が生きていたなんて言えるわけがない。
それに五条が始末したと報告しているのならば、今度は彼が夏油傑を逃がしたのではと疑われることになってしまう。
手を組んでいるのではと疑われたら立場が危うくなるのは勿論、夜蛾や他の近しい術師も疑われるだろう。
A「何で私なんか必要なんだろう…」
呪霊の言葉が理解できる──狙うにしては薄い理由な気がする。
もっと他に別の目的があるのだろうか。
あったとして一体自分に何が出来る?
気にはなるが、出来れば二度と会いたくないとも思う。
彼を怖いと感じたのは本当だ。
まるで底が見えない大きな穴を覗いているようだった。
もし入ってしまうことがあったら、抜け出すのは困難…不可能に近い。
A(最近色々考えてばかりでちゃんと寝てないや…)
鍵を開けて部屋の中へ入る。
部屋の奥が明るいにも関わらず、何も違和感に気付かないAは溜息をついた。
A「今日はちゃんと寝ないと…」
五条「何か悩み事?」
聞こえてきた声にAはやっと我に返る。
灯りが点いている…声がしたということは…
ラフな服装でサングラスをかけた五条がひょっこり顔を出して「おかえり♡」と手を上げた。
A「さ、悟…!?」
五条「ただいま♡」
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予想通りのあるある展開。
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更紗和金(プロフ) - マリオットさん» 一気みしてくださったとは…とても嬉しいです。こちらこそこんな自己満足作品を読んでいただきありがとうございます! (2022年10月2日 18時) (レス) id: b1ab373c3f (このIDを非表示/違反報告)
マリオット - 一気みしました!!すごいです!この小説書いてくれてありがとうございます!! (2022年10月1日 11時) (レス) @page3 id: 4a1e7dbbbb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:更紗和金 | 作成日時:2022年9月25日 18時