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【Aside】
夏油さんの身体が何者かに乗っ取られているなんて…
私はガックリとしてその場にへたり込んでしまう。
この事実を誰かに伝えるべきだろうか…でも悟にはとても言えない。
言えるわけがない…
かつての親友が…悟が殺したはずの夏油さんの身体が誰かに利用されているなんて…
でも何か企んでいる可能性が高い。
このまま言わなかったら後々手遅れになる場合も…
野々宮「Aちゃん!?」
A「…あ…」
野々宮「やだ!大丈夫!?」
真琴ちゃんが慌てて家の中に入って来て駆け寄ってくれる。
いけない私…まだ任務中だったし…
野々宮「急に1級レベルの呪霊の気配がしたからおかしいと思って、入って来たんだけど…!平気!?怪我とかしてない!?」
A「あ、怪我は…平気…」
野々宮「呪霊の気配は消えてるね。とりあえず出よっか。立てる?」
A「うん…」
真琴ちゃんの手を借りて何とか立ち上がった私は彼女と共に廃屋を出て車へ戻る。
明るい外に出られてやっと息が出来た気がした。
野々宮「顔色すごく悪い…今日はもうお休みにしよう。高専まで送るから休んで」
A「でもまだ他の任務が…」
野々宮「無理はダメ。本当に、今までにないくらい顔色悪いし、疲れてるよ」
真琴ちゃんの言う通り、実はかなり精神的にきてる。
任務は関係ない…やはりあの夏油さんじゃない誰かに会ったことが原因だ。
楽になりたくても人に言えることではない。
真琴ちゃんの判断により、それ以降の任務は中止。
私は大人しく高専へと返された。
野々宮「ちゃんと休んでね」
A「うん…」
野々宮「傍にいられなくてごめんね…」
A「そんな…真琴ちゃんのせいじゃないから。部屋まで送ってくれてありがとう」
心配してくれる真琴ちゃんに無理やり作った笑顔で挨拶をして、部屋に入る。
一人になった途端、身体がズシリと重くなり、ソファに座り込んだ。
A「……どうしたら、いいのかな…私っ…」
一人で抱えることがとても怖くて、でも周りにも言えなくて…
声を押し殺しながら溢れ出る涙を流した。
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更紗和金(プロフ) - マリオットさん» 一気みしてくださったとは…とても嬉しいです。こちらこそこんな自己満足作品を読んでいただきありがとうございます! (2022年10月2日 18時) (レス) id: b1ab373c3f (このIDを非表示/違反報告)
マリオット - 一気みしました!!すごいです!この小説書いてくれてありがとうございます!! (2022年10月1日 11時) (レス) @page3 id: 4a1e7dbbbb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:更紗和金 | 作成日時:2022年9月25日 18時