【文化祭編】キャットハント ２５ ページ32
どれくらい時間が経ったんだろう･･･。
真っ暗な倉庫ではよく分からないけど、糸のように扉から見えていた光は弱くなっているから数時間は経っているのかもしれない。
このまま誰にも見つけてもらえなかったらどうしよう･･･。
そう考えただけでまた涙が流れてしまう。
「･･･ひっく。誰か･･･。ぅ･･･」
蹲って泣いてしまう弱い自分なんて、消えてしまえばいいのに。
震える体を押さえつけるように抱き込んだ時、遠くの方から地面を駆けるいくつかの足音が聞こえた。
もしかして、さっきの女の子たちが帰ってきてしまったのかもしれない。
足音は間違いなくここに向かって近づいている。
そして、扉の前で荒い呼吸音が聞こえて、それと同時にガタガタと音が聞こえた。
今度は何をされてしまうのかと考えて体が震える。
蹲ったまま両手で頭を抱えていると、ガタンッと大きな音が聞こえてつっかえていた物が外されたのだと理解した。
ガラリと扉が開かれた瞬間、私はきゅっと目を閉じて叫んでしまった。
「先輩･･･っ！」
「呼んだか･･･？」
「ぇ･･･？」
ふわりと体が温かく包まれる。
涙でぐしゃぐしゃの顔を上げて目を開くと、抱きしめられていることに気づいた。
暗闇に慣れすぎた視界はただただ眩しくて真っ白。
だけど、この安心する香り･･･知ってる。
「手嶋････せんぱ････っ。ふぇ･･･」
「姫･･･っ。良かった。見つけた･･･っ」
子供みたいに泣いて、抱きしめてくれている手嶋先輩の胸におでこを押し付けて震えていると、頭を優しく撫でてくれる手があった。
この温かい手も、知ってる･･･。
「･･･安心、した」
「青八木、先輩････っ」
「よっと」と、私を横抱きにして持ち上げた手嶋先輩は、ゆっくり倉庫の外に出る。
明るくなった視界が眩しくて目を細めると、金城先輩と田所先輩が立っていた。
「ところで巻島はどうしたんだ？」
「ああ。問題の女子２人を校門まで送り届けたらしい」
「念の為ってことか？」
「流石に校外の生徒と揉めるわけにはいかないからな」
金城先輩と田所先輩は私の頭を撫でてくれて、涙を拭いてくれながら話す。
もしかして、みんなで私を探してくれていたの･･･？
そう思ってキョロキョロと視線を行ったり来たりさせていると、青八木先輩が私の膝から血が出ていることに気づいて手嶋先輩を手洗い場まで誘導してくれた。
私は、幸せ者だ。
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瑠璃色の夢(プロフ) - ダリアさん» 温かいコメントありがとうございます＾＾いつもお気遣いいただいて本当に嬉しいです♪思いつきでお話をばら撒いておりますが楽しんでいただけて幸せです。今後も頑張りますのでよろしくお願いいたします(*^^*) (2019年12月24日 22時) (
レス) id: d25e595259 (このIDを非表示/違反報告)
ダリア - 後、あまり無理は為さらないで下さいね？更新お待ちしてます^_^ (2019年12月24日 20時) (レス) id: 7c4b8b3529 (このIDを非表示/違反報告)
ダリア - 遂に番外編まで来ましたね！嬉しいです！今回も楽しかったです。皆素敵でずっとにやけながら、...ヤバい。...スキ。という状態になってました。体調に気を付けて頑張って下さい♪ (2019年12月24日 20時) (レス) id: 7c4b8b3529 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃色の夢(プロフ) - すももさん» お祝いのお言葉ありがとうございます＾＾そして温かい気遣いのお言葉、とても励みになります♪本編も完結できるように頑張りますのでよろしくお願いいたします(*^^*) (2019年12月10日 8時) (レス) id: d25e595259 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃色の夢(プロフ) - ふたばさん» お祝いのお言葉ありがとうございます＾＾今月は番外偏は難しいですね。ごめんなさい（土下座）年末年始はドタバタなので更新頻度がかなりゆっくりになります＞＜ご容赦ください。今後も頑張りますのでよろしくお願いいたします(*^^*) (2019年12月10日 8時) (レス) id: d25e595259 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑠璃色の夢 | 作成日時：2019年9月27日 18時
