【鬼滅の刃】陽光の巫女

空腹 ページ15

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「おにがりさま、ですか？」
　




鬼狩り様
　

鬼殺隊の隊員か、と問うてきた。




「……え、？」
　

小さい女の子から急に鬼狩り様か、なんて聞かれたら誰でも驚く。

突然のことに固まった善逸の気持ちはよくわかった。
　

でも、そんな場合じゃない。





「…お名前、なんていうの？」
　


この隊服をみて鬼狩りとわかったのなら、きっとこの子は鬼殺隊員を見たことがあるのだろう。


任務でここを訪れた隊員を。



おそらく、この町に鬼がいる。


霞湖とは関係ない、別の鬼が。




「……はるか」


「そっか、はるかちゃん。かわいい名前だね」
　


きっとこの子は鬼の被害にあっている。

じゃなきゃ自ら話しかけになんて来ないはずだ。


この子の家族か、友達か。はるかちゃん自身の可能性もある。
　


何はともあれ落ち着いて話せる場所はないか。

通りの端っこでするような話じゃない。
　

それに…




「腹減った…」

「同じく…」
　

昨日の夜のおむすび以外、食べ物を口にしていないんだ。

そりゃお腹もすくよ。


なんでもいい。また鬼と闘うのなら、とりあえず何かお腹に入れておきたい。




「そ、それなら、すぐそこに甘味処があるよ」


「え？甘味？」
　

はるかちゃんが斜め前の方を指さした。

たどってみると、甘味処を看板に掲げている建物がある。



「本当だ…。善逸、あそこでもいい？」

「別にいいよ。とりあえずなにか食べたい…」


「じゃあはるかちゃん、あそこでお話を聞かせてくれるかな？」


「…わかった」
　


頷いたはるかちゃんの手を握って甘味処に向かった。

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