Doctors-3JSB-GENE

★カルテ庫にはご注意を ページ35

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玲於 研修医
A 医療事務員


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Aside








兄達が働く病院で医療事務員になって数年。




午後からは定例業務になっているカルテ出しを行う。




明日の外来の診察予約を確認し



必要なカルテを準備するが


その中に３年以上前のカルテを求めているドクターがいた。




３年以上前のものは別館まで取りに行かなければならない。




「カルテ取りに行ってきます」



登坂「はーい、お願いします」




少し気怠そうな雰囲気をまとう


リーダーの登坂主任に声を掛けて



別館まで取りに向かう。




人通りが極端に少ない連絡通路を歩いて


別館のカルテ庫に辿り着いた。




ドアを引くと埃っぽい空気が体を包む。



「内科36-0000、内科36-0001..... 」



段ボールに手書きで書かれた番号を順に辿ると




「うわぁ高いな........」




探していたカルテの所在は判明したものの


脚立に上がらないと届きそうにない。




脚立に上がって段ボールに手を掛けると



「うわぁっ！！」




隣の段ボールが一緒に滑り落ちてきて



降ってきたカルテと共に地面に叩きつけられた。




「うっ！.........ｺﾞﾎｯｺﾞﾎｯｯ」



舞い上がった埃を一気に吸い込んでしまった。




狭い通路に倒れこんでしまって



分厚いカルテに押されて身動きが取れない。






「れ、お..ｺﾞﾎｯ..ﾋｭｰ.たすけて....ｹﾞﾎｹｯ..ｯ」



真っ先に浮かぶのは玲於の顔で




「ﾋｭｰﾋｭｰｯ......ｹﾞﾎｹｯ..ﾋｭｰﾋｭｰｯ...れ、お.....」



息苦しさと右手の痛みのせいで


涙が止まらない。








「ｹﾞﾎｯ...ﾋｭｰﾋｭｰｯ.....ｾﾞｰｾﾞｰ ......」




数分経っても誰も来ない。




もう息ができない.......

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