Doctors-3JSB-GENE

インフルエンザ(剛典) ページ25

亜嵐side








無理やり開けた目を擦り


欠伸をしながら階段を下りると、すぐそこに



剛典「おはよう、ご飯作れてないｺﾞﾎｺﾞﾎｯ....ごめんね」



すでに着替えを済ませたマスク姿の剛兄。




亜嵐「どうしたの？なんか身体熱いよ」



なかなか止まらない咳を止めようと背中に手をやると



煩わしいのか


その手を払いのけ



剛典「ん.....大丈夫だから、行ってきます」



並べられた靴に足を入れ、足早に立ち去っていった。





あぁ見えて意外と身体が弱いから


季節の変わり目で気温差が激しい近頃



風邪でも引いたんだろう。




俺も気を付けないとなぁ


なんて思いながらリビングへのドアを開けると




下がり眉の直兄と


その、困っている様子の直兄を


隣で慰める健兄の姿があった。




亜嵐「ねぇ、剛兄熱あるみたいだったけど...」



健二郎「せやねん、ちょっと機嫌悪かったやろ。熱だけでも測らそう思ったんやけど振り払われたんや」


直人「昨日の夜も咳が止まんなくてね、朝に診察するって約束したのに」




あぁだから困った顔してたんだって納得する。




昨日から当直の涼太を除いて



今日は皆、夜遅くまで帰って来れないはず。



なんせ今、病院ではインフルエンザの患者がごった返していて



もちろん剛兄も、いつも通りの時間



には帰って来れないだろう。




亜嵐「剛兄のこと気に掛けてみるよ」



健二郎「うん、せやなぁ頼むわ」



何もないと良いけど........

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