Doctors-3JSB-GENE

虫歯（亜嵐） ページ16

亜嵐side








窓から差し込む太陽のお蔭で


身体がポカポカと温まり、ウトウトしているところに



「亜嵐君入るよ」と涼太の声が聞こえた。




涼太「そんな物欲しそうな目で見ないでよ」


涼太の手には、一枚の紙が握られている。



亜嵐「結果どうだった？もう退院で良いよね」



涼太「うん、条件付きの明日退院で良いよ」



亜嵐「よっしゃ！」






実を言うと数日前に貧血で倒れてしまい


右手首を負傷してしまった。



採血の結果、良くないデータがずらりと並んで


利き手も使えないことだし、そのまま入院となった。





兄妹が入れ替わりで病室まで来てくれたから


寂しいなんて思わなかったし




ゼリーとかジュースとか....


ナースからも差し入れが入るみたいで




亜嵐「......こんな生活、良いのか悪いのか」



涼太「至れり尽くせりで良いですね、亜嵐先生は」




ベッドに寝転がってテレビ見て



貧血で入院してるって言うのに


お菓子ばっかり貰うもんだから



夕食の時間になるとお腹いっぱいで残してしまったり


手の自由が利かないし、面倒だから歯磨きサボったり....





こんな生活を後悔する日が来るなんて。

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