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「お前、ばっかじゃねえの。
泣きながら言っても説得力ねぇんだよ。
なんだよ、今までずっと、嘘なんて吐いたことないくせに」
彼は震える声で言葉を紡ぐ。
その顔は、泣きそうなのに、笑顔だった。
「嘘つくんなら、もっと上手に吐けよ。なあ。
慣れねえこと、してんじゃねーよ……!!」
「さ、とるく」
「もう喋んなよ!!」
彼は叫ぶ。
その瞳からは、ぼろぼろと涙がこぼれ落ちていた。
「俺は、おれ、は、
ずっとお前のことが好きだ。
小せぇ頃から、バカみたいに正直で、素直で、能天気に笑うお前が、好きだった。
忘れろ?
忘れるわけねぇだろうが!!
意地でも忘れてやんねぇよ!
忘れてなんか、やんねぇからな。
一生、恋人も作らねぇし、結婚もしねぇ」
「さと、るく、そこまで、しなくたって………いい、よ」
彼女の言葉に、彼はニッと笑う。
「………なんて、これは嘘に決まってんだろ、ばーか!」
嘘つきな彼は、真実を告げた。
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さんむ - ごじょぉぉぉぉぉ.....一途すぎんだろぉおおおおおお(泣) (7月20日 16時) (レス) @page11 id: cb25a252d2 (このIDを非表示/違反報告)
ニコ25 - マジ泣きました!ありがとうございました。 (2022年7月31日 23時) (レス) @page11 id: 5b5bf1c817 (このIDを非表示/違反報告)
ぴ(プロフ) - 泣きました。ありがとうございます。 (2022年2月25日 4時) (レス) @page11 id: 69206d8b84 (このIDを非表示/違反報告)
夜桜(プロフ) - 好きです。とりあえず好きです。 (2021年7月9日 23時) (レス) id: 8187e5a74d (このIDを非表示/違反報告)
たた(プロフ) - うおおおおおお!!!!!泣いやぁ、最高っす、、、。泣 (2021年7月9日 21時) (レス) id: 3033f84e77 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雨ノ | 作者ホームページ:
作成日時:2021年7月9日 20時