元姉と歌声【ONEPIECE】

歌声25 ページ28

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ウタside


私がそう言っても、ルフィは何も反応せず、私の手の中にある麦わら帽子しか見ていなかった。


·········むかつく。


私にとっての大切な人は皆、私のことを見ない。


目の前のルフィのように。


そりゃあそうだもんね。私のことを大切に想ってくれているのはゴードンとA、ファンだけだもの。



___________歌うことしか価値のない私なんて、見てくれるはずない。



私がまた話しかけようとすると、白い帽子をかぶった海賊が何か呟き、目の前から消えた。

···その代わり、大きな大木の幹が目の前に出てきた。また逃げたみたい



むかつくむかつくむかつく！！



私は歯ぎしりをする。また逃げたよアイツら！···あ、でも、これで一人の能力を知れた。


「フーン、いろんな能力があるんだね」


私は不機嫌にそう言い捨て、パッと笑顔になって「まっ、いっか！」と言う。ファンのみんなが後ろにいるんだもの、暗い顔なんてしてられないよね！


「ゲームにしよう！逃げた海賊を見つけ出してね！」


ファンのみんなにそう言う。


みんなが居なくなったのを確認してから私は休符を出現させた。


能力で休符を元の身体へ戻す。そこには、横たわって静かに寝ている私の可愛い妹のA。


私はスースーと気持ちよさげに寝ているAの額にキスをして、人差し指を動かして浮かせた。


　 “ウタ、一緒に新時代を作ろう！”


Aの言葉を思い出した。うん、A！一緒に新時代を作ろうね！



私はある楽譜とこれから始めることを考え、口の端を上げた。

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