元姉と歌声【ONEPIECE】

歌声19 ページ22

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Noside


「国民がいなくなったエレジアで、ウタは私が育てた。


　しかし、ここにいるのは私とあの子の二人っきり。きっと、寂しかったのだろう。私の前では明るく振る舞っていたが、一人になると、いつも仲間達との思い出の歌を口ずさんでいた。


　私はそんなウタを励ますように彼女を世界一の歌い手にするため育ててきた。」



ゴードンはそう言い、見回すとルフィが石を積んでいるのを見た。え、と思い話しかけようとしたところにバルトロメオが先を急かした。




「あの子の歌声は素晴らしかった。でも、問題がある。問題は、いつどうやって彼女の歌声を世界に届けるか、だった。彼女は外の世界を殆ど知らずに育ったから。


　だが、そのタイミングは意外な形で訪れた。約二年前、エレジアの浜辺を歩いていた彼女は、偶然拾ったんだ。


流れ着いた新種の映像電伝虫を。それは、音声と映像を、不特定多数に向けて発信できる代物だった。


彼女の声はファンを魅了し、まるで世界を覆い尽くすように瞬く間に広まっていった。


だが、外の世界の現実を知るうちに彼女のなかに新たな自覚が生まれていった。最初はただ歌を聞いてもらえばよかったのに、いつの間にか彼女のことを救世主だと拝めるファンが増えていった。


······、Aはウタが"新時代"をつくる計画を建てているときにエレジアに来た。」

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