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おばさんが家に帰ってくるのを待って聞いてみることにした。
おにいちゃんを心から信じられないのは、情報が少ないからだ。
ご飯を食べ終えて食器を片付けてるおばさんを手伝いながら、思い切って聞いてみた。
「カオルさんって誰ですか？」
おばさんが、え？って不思議そうにしてから、ふ、と眉を寄せた。
「……カオルさん？」
「うん……おにいちゃんが今、お世話になってる……んですよね？」
「ああ、元旦那の、妹さん。つまり、あの子にとっては叔母さんにあたる人ね」
「……親戚？」
どういうことだろう。
首を傾げてたら、おばさんがため息を吐く。
「あの子のお父さんのお父さん、つまりお祖父さんはお祖母さんが亡くなったあと、うんと若い後妻さんを貰ったのよ」
「……はい」
「あの子のお父さんは、自分と殆ど年の変わらない義理の母親ができた」
なんだかややこしい話になってきた。
「はい」
「そして、子供ができた、20近くも年の離れた義理の妹」
思わずおばさんの顔を見る。
「あの子のお父さんは、義理の妹をまるで自分の子のように可愛がってて……その子がカオルさん」
「はい」
「私と結婚すると言った時は泣いて泣いて、……つまり、私のことを憎んでいたの、カオルさんは」
ということは、カオルさんは。
「和とは、12歳差だったかしら」
「……」
「結婚しないって、聞いた。好きだったらしいのよ、お兄さんを。つまり死んだあの人を」
呆然として、立ちすくむ私をおばさんは少し笑って見つめた。
「だからかしら？和を溺愛してるのよ」
「……」
「和にとってのお父さんの思い出は、カオルさんのところに置いてあるのね」
「……ああ、なるほど……」
「私は新しい生活が始まって……あの子時々カオルさんに会いに行ってるってことを私に内緒にしてたのよ、バレてるのにね」
「そうなんですね……」
「若いのに会社を経営とかしててキャリアウーマンって感じの方。私が再婚するって話を和から聞いたみたいで連絡があった」
「なんて？」
「あの子をくれって」
おばさんがなんとも言えない目で私を見た。
「嫌だと言ったわよもちろん」
「……」
「けど、受験終わるまでは集中したいからって、カオルさんのとこにいるって」
「……30歳とかの、女の人と暮らしてる……」
「お祖母さん、つまり亡くなった主人の義理のお母さんと二人暮らしの家に和は転がり込んでるのよ。部屋はたくさんあるし」
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作者名：よしの
| 作者ホームページ：
作成日時：2016年5月31日 0時
