４２. ページ42
・
………とうとう放課後になってしまった…
「はぁぁ…」
いつもよりカバンに荷物を入れる手が重く感じる。
「何ため息なんてついちゃってんの！
これからあの荒垣君と一緒に帰るんでしょ？」
…藍佳の方がワクワクしてるんじゃないのかな。
………そもそも付き合ってないし…
「A、」
頭の上から声が聞こえた。
「…荒垣く…」
「帰ろっか。」
…なんなんだぁぁ！
「じゃあね！良い放課後を！」
「藍佳…」
目で助けを求めるけれど、ニヤニヤしながら、ん？、と言うだけ。
「ほら、はやく、」
そう言いながらグイッと腕をひかれる。
「ちょ、」
『荒垣來先輩って、普通科でもアイドル的存在ですもん』
頭の中に愛音ちゃんの言葉がよぎる。
「いく、から！」
腕をブンブン振って、荒垣くんの手を振り払う。
「次逃げたら手ぇ繋ぐから。」
「…無理だから、」
隣を歩くだけでも周りからの視線が痛いのに、
手なんて繋いだらたまったもんじゃない。
「荒垣先輩だぁ、かっこいい…」
「隣歩いてるのってもしかして…」
「いやだ！！」
…逃げたい。
でも、運動音痴の私が逃げたって陸上部のエースに勝てるはずがない。
少し歩くスピードを落として、
後ろについていった。
・
・
「ねえ、いつまでそんなに後ろ歩くの、」
ふと前を見れば、不機嫌そうな顔の荒垣くん。
「……私、返事してないのになんであんなこと…」
「だってさ、」
後ろを歩いていた私に向かって近づいてくる。
「俺、Aと付き合いたいもん。」
どストレートにそんな言われると、
免疫のない私はすぐに赤くなる。
「…そういう問題じゃ…」
「昨日も言ったけど。」
まっすぐに私を見てくるから逸らそうにも逸らせない。
「Aが昨日の人を好きだっていうことは知ってる。
でも、あのままじゃAずっと泣くだろ、立ち直れないだろ？
だからさ、」
グイッと顔を近づける荒垣くん。
「俺と付き合って、
俺のこと好きになればいいよ。」
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 169人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
那星月佳(プロフ) - みなさん» はい、必ず見ますね！楽しみです！ (2019年3月18日 21時) (
レス) id: 25acefb684 (このIDを非表示/違反報告)
みな(プロフ) - 那星月佳さん» ありがとうございます！続編も見て頂けると嬉しいです！ (2019年3月18日 20時) (レス) id: 160134a9e7 (このIDを非表示/違反報告)
那星月佳(プロフ) - 受験お疲れ様でした。続編へも続くのはとても嬉しいです。今後も応援してます。 (2019年3月18日 19時) (レス) id: 25acefb684 (このIDを非表示/違反報告)
ミナ @メイン(プロフ) - まぃりぃさん» そうなんですか！お互い頑張りましょうね！ (2018年8月24日 12時) (レス) id: dbbaa59aee (このIDを非表示/違反報告)
まぃりぃ - お知らせ見ました！実は私もなんです…。頑張ってください！！応援してます♪ (2018年8月23日 23時) (レス) id: 6b8bf83b3b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ミナ x他1人 | 作成日時：2018年4月5日 15時
