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「それにしても、凌駕遅いわねぇ、バイトがあるって言ってたのに…早く起こさなきゃ。
あ、そうだ。ごめんだけどAちゃん、凌駕を起こしてきてくれない?」
(…?)
「あ、はい。わかりました。」
ニヤニヤしながらそう言ったお母さんだけれど、
大して気にもせずに芹澤さんのお部屋の場所を聞いてそこに向かった。
・
(ここかな…?)
芹澤さんの部屋らしき部屋につき、コンコン、とノックをする。
でも、しばらく経っても返事はない。
コンコン、
「芹澤さん?おはようございます、」
ドア越しに声をかけてみても、返事はない。
(……起こしてきてって頼まれたもんなぁ。)
そう思いながら控えめにドアノブを回すと、ガチャ、と開く音がした。
(開いちゃった…)
意を決して恐る恐る中に入る。
「おじゃまします…」
男の人ってガサツなイメージがあったけど、整頓されたシンプルな部屋だった。
ベッドに行くと、芹澤さんの整った顔が見えて、スヤスヤと寝息をたてていた。
(カッコいい…)
さすがにみていると変な人だから、恐る恐る声をかける。
「……芹澤さん、朝ですよ、おはようございます」
声をかけながら顔を覗き込む。
すると、
パチ
「っ、」
目が開いた。
……やってしまった、すごく近い。
急いで顔を背ける。
でも、じっと私を見つめる芹澤さん。
(……何か言わなくては、)
「あ、の、すみません、部屋に勝手に入ってしまって、
でも、お母さんに、起こしてきてって、頼まれたので、」
自分でも何を言ってるか混乱してきてしまった。
「すみません…」
すると、ムクッと芹澤さんが眠そうに目をこすりながら起き上がった。
「A…さん?」
不意にどこか虚ろな目で私を呼んだ。
「…?、はい、おはようございま…っ!!?」
グイッ
私の体重で、ボフっとベッドが沈んだ。
……な、なんで、
ギュッ
「っ!!?」
「……おはよう、」
耳元で聞こえる甘く低い声。
背中に回っているがっしりした手。
「な、な…」
なんで、
・
・
・
芹澤さんに抱きしめられているの?!!
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那星月佳(プロフ) - みなさん» はい、必ず見ますね!楽しみです! (2019年3月18日 21時) (レス) id: 25acefb684 (このIDを非表示/違反報告)
みな(プロフ) - 那星月佳さん» ありがとうございます!続編も見て頂けると嬉しいです! (2019年3月18日 20時) (レス) id: 160134a9e7 (このIDを非表示/違反報告)
那星月佳(プロフ) - 受験お疲れ様でした。続編へも続くのはとても嬉しいです。今後も応援してます。 (2019年3月18日 19時) (レス) id: 25acefb684 (このIDを非表示/違反報告)
ミナ @メイン(プロフ) - まぃりぃさん» そうなんですか!お互い頑張りましょうね! (2018年8月24日 12時) (レス) id: dbbaa59aee (このIDを非表示/違反報告)
まぃりぃ - お知らせ見ました!実は私もなんです…。頑張ってください!!応援してます♪ (2018年8月23日 23時) (レス) id: 6b8bf83b3b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミナ x他1人 | 作成日時:2018年4月5日 15時