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26. ページ26

「…すみません、わざわざ車出していただいて…」



「いや、こちらこそごめんね、うちの妹、母親に似て強引なんだ…」


「いえ、とんでもないです…」





芹澤さんが車を出してくれて、今は着替えを取りに、家に向かっている。





愛音ちゃんは





「部屋の片付けをします!」






とかで来てくれなかった。





……好きな人と二人きりなんて、緊張してしまう。



流石に助席に乗るのはハードルが高すぎて、後部座席の端っこに座らせてもらった。



…もっと大人の人だったら、自然に助席に座ってたんだろうな。





「……あ、あのさ、」


「はい!」





思わず力んだ返事をしてしまう。



すると、芹澤さんは、





「そんなに固くならなくて大丈夫だよ」





と笑ってくれた。





「あのさ、Aさんは勉強好きなの?」




予想外の質問に驚いたけど、





ちゃんと答えようと思った。





「いや…好きってわけではないんですけど。



……私、今なりたいものとか、将来の夢が無くて。




同級生はみんな得意なこととか好きなことがあって、






少しずつ将来のこと考え始めてるのに、私は全然で。




……勉強してれば少しは将来に役立つかなーって…それだけなんですよ。」




少しこんなことを言ってしまい、恥ずかしくなった。





「……すみません、こんな話。」




「いや……すごいね、しっかりしてる。


俺が高2の時なんて、遊んでたもん笑」




「…芹澤さんって大学生ですか?」




ずっと気になってたことを、思い切って聞いてみた。





「あ、うん。言ってなかったっけ。19歳の大学生。






…俺もね、Aさんみたいに立派な悩みではなかったけど、

このままじゃダメだなぁって思ってたよ。


だから、勉強を頑張って、大学に入った。




大学は楽しいよ、自分の好きな科目を選べるし、サークルの仲間とかもいるし。



Aさんが同級生にいたら、俺めっちゃ頼ってたかも笑」





そう言って笑った芹澤さん。




……あと2年、早く生まれたかったな。




「まあAさんなら勉強でつまずくことはないと思うけど、俺でよければ相談とかのるから。」




そんな言葉をもらえて、




「……ありがとうございます。」





「いえいえ」






すごく幸せだった。





……と同時に、






(……私は妹みたいに思われてるのかな。)







ちょっとだけ、悲しくもあった。

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作品ジャンル:恋愛, オリジナル作品
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那星月佳(プロフ) - みなさん» はい、必ず見ますね!楽しみです! (2019年3月18日 21時) (レス) id: 25acefb684 (このIDを非表示/違反報告)
みな(プロフ) - 那星月佳さん» ありがとうございます!続編も見て頂けると嬉しいです! (2019年3月18日 20時) (レス) id: 160134a9e7 (このIDを非表示/違反報告)
那星月佳(プロフ) - 受験お疲れ様でした。続編へも続くのはとても嬉しいです。今後も応援してます。 (2019年3月18日 19時) (レス) id: 25acefb684 (このIDを非表示/違反報告)
ミナ @メイン(プロフ) - まぃりぃさん» そうなんですか!お互い頑張りましょうね! (2018年8月24日 12時) (レス) id: dbbaa59aee (このIDを非表示/違反報告)
まぃりぃ - お知らせ見ました!実は私もなんです…。頑張ってください!!応援してます♪ (2018年8月23日 23時) (レス) id: 6b8bf83b3b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ミナ x他1人 | 作成日時:2018年4月5日 15時

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