7. 万事屋の ページ8
『なんかごめんなさいね。私が作るって言っておきながら、手伝わせることになっちゃって。』
「気にすんなって。俺達はタダ飯を食わされてる身だしな。それにお前も疲れてるだろうよ。
今夜はくりーむシチュー…懐かしいな。」
私に気を使って、隣で丁寧にジャガイモの皮を剥く銀時。幼少期の頃から自炊が出来ていた私たち。
銀時もその腕前は格段に上手になっている。
先生のやり方に似てきたかな。
それにたまに見せる彼なりの優しさが、あの頃と変わってはいなかった。
『そうね、残りのシチューの取り合いで私と喧嘩したものね。必ず小太郎が止めに来てくれたっけ。』
「お前は見かけによらず、食い意地はってたからな。」
今はうちの神楽の食いっぷりにはお手上げだと、彼はちょっと苦笑いをする。
夜兎族は凄まじい食癖を持っていると聞くし、それに今日は大人数で来るって聞いて、多め作っておいたんだけど…。
………この二つの大鍋分は足りるかしら?
すると台所を覗く二人の女性と新八君の姿が。
「Aさん、僕の姉上と下の階に普段お世話になっているお登勢さんを連れて来ました。どうしても一目見たいと言ってたので。」
「あらま、お邪魔だったかしら?本当に美人な方ね。私は新八の姉の妙って申します。」
「私ぁ、下の階でスナックを営んでるお登勢さ。噂通りの別嬪さんじゃないか。こりゃあ、かぶき町の野郎どもは放っておけないねえ。」
そんな風に言われるとやっぱり恥ずかしくっ
て、
『そないな事あらへんどすって…!もう、皆してお世辞上手なんどすなぁ。』
「だあっ!!じゃじゃ馬はもう行きやがれ!!こいつ恥ずかしがって、京弁喋り出したじゃあねえか!!」
と銀時が助け舟を出してくれて、3人を追い出そうとするが、
「銀さんとAさん。こうして並ぶと新婚夫婦みたいですね!」
「『えっ!?』」
「本当ね。銀さんにはもったいないくらいだわ。」
「銀時、アンタにも遂に婿の貰い手ができるとは。今夜は祝いだよー!!」
「だから、そんなんじゃねーって!!ったく。」
確かに銀時は大人びいて、顔立ちも悪くはない。
彼女くらい居そうだけど…。
「ったくあいつらは。気にすんなよ。」
彼は、雲みたいに掴みどころがなく、
誰からにも染まらず自由に生きる、そんな人。
己の信じた道を一人駆け抜けちゃうから。
そんな彼の背中を見てそう思ったんだ。
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目覚まし時計の針 - 関西弁の赤髪キャラ…あれ…なんか天国が見えr((( (2022年9月10日 18時) (レス) @page38 id: 0727e3cb02 (このIDを非表示/違反報告)
綾葉メグ(プロフ) - イチゴミルクさん» はじめまして!読んでくれてありがとうございます!長い間ずっと更新していなかったので、待たせてしまった事の申し訳無さと、それでも読んでくれて、応援のメッセージをくれる方が居てくれた嬉しさでいっぱいです。残りの物語を更新出来るよう頑張ります! (2022年7月5日 7時) (レス) id: f190ad2f2f (このIDを非表示/違反報告)
イチゴミルク(プロフ) - 初コメ失礼ッ!最近見始めたばかりなのですが京都弁夢主ちゃん可愛いしかっこいい…!あと,設定見た瞬間に,楠本…あ,私の苗字…え,運命?((()夢主ちゃんお嫁にもろてm((()更新頑張って下さい!応援してますッ (2022年7月3日 21時) (レス) @page3 id: 4b77fe0276 (このIDを非表示/違反報告)
蒼月 - いえいえ!いつも楽しく読ませていただいてます!これからも頑張ってください!! (2019年11月3日 18時) (レス) id: 7a59223088 (このIDを非表示/違反報告)
綾葉メグ(プロフ) - 蒼月さん» コメントありがとうございます!!毎回読んで頂き、こちらとして励みなります! (2019年10月28日 17時) (レス) id: fe3feae032 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:綾葉メグ | 作成日時:2019年10月21日 6時